レターズアルパック

Letters arpak
   
223号(2020年9月号)今、こんな仕事をしています

気候変動の影響予測等に用いるデータセットに関する意見交換会に参加しました


今年の夏も水害が多発しました。特に7月上旬は九州や東北など、全国的に被害が重なりました。近年、夏になると地球温暖化や異常気象を意識することが当たり前になっています。

 今年の夏も水害が多発しました。特に7月上旬は九州や東北など、全国的に被害が重なりました。近年、夏になると地球温暖化や異常気象を意識することが当たり前になっています。
 今後「異常気象」が増えるのかという問に答える方法の一つが、将来の気象予測を元にその影響を評価すること(影響評価)で、そのためのツールが将来の気温や降水量、日射量等を予測した「気候シナリオ」と呼ばれるデータセットです。国内では気象研究所やJAMSTEC(海洋研究開発機構)等で開発されています。
 当社もこうしたツールを使用し気候変動による「適応策」等の調査研究を進めていますが、関連して、気象庁気象研究所の「データセット意見交換会」(全3回オンライン)に参加したのでご紹介します。
 現在、気象庁や文科省の研究プロジェクトによる予測データ等を取りまとめて提供する「データセット2022」事業が進められており、将来的に気象専門家だけでなく、様々な分野の利用者向けのデータセットが提供される予定です。
 そのため、(1)防災・農林水産・自然・再生可能エネルギーなど多分野で活用可能な多様なデータを提供、(2)複数の予測データ各々の特性の説明や使い方の解説等の提供(現在も一部あり)など利用者への支援を高める方針が出されています。
 一方、利用者側からは現在個別に提供されている陸上・海洋・気象のデータセットの統合や、予測値の不確実性情報の提供等が要請されていました。
 私どものようなデータセット利用者としては、まず「使うことができる」ため、次に「より適切なデータ利用」「精確な影響評価」のための支援が欲しいわけで、各々の方針や要望は首肯できるものばかりでした。
 *  *  *
 気候変動の適応策は今後ますます重用になるでしょう。今回のような取組によりデータセットの守備範囲が広がり、より多様な成果が出るとの期待が高まります。末筆ですが、様々な関係者が集まる会議の開催に尽力された関係者の方々に感謝の意を申し上げます。

長沢弘樹:サスティナビリティマネジメントグループ

223号(2020年9月号)の他記事

バックナンバーをみる

タグで検索

ページトップへ