レターズアルパック
Letters arpak素材の風味を引き立て、ベトナム料理に欠かせない味!
近年、嬉しいことに、日本でもベトナム料理の人気が高まりつつあります。ベトナムの味といえば「フォー」や「パクチー」「バンミー」等思い浮かべる方が多いと思いますが、私にとっては、「ヌックマム」です。
近年、嬉しいことに、日本でもベトナム料理の人気が高まりつつあります。ベトナムの味といえば「フォー」や「パクチー」「バンミー」等思い浮かべる方が多いと思いますが、私にとっては、「ヌックマム」です。
気のせいかもしれませんが、海外からホーチミン市の空港、国際ターミナルに着陸するたびに、ヌックマムの香りがします。「あぁ〜、帰ってきたんだ」とふと思います。
初めての海外渡航でもあり、京都に留学する時に、洋服と本の他に荷物に包んだのはヌックマム1本というくらい私にとって大事な調味料です。今でも、食欲がない時には、炊き立ての熱々ご飯に数滴のヌックマムをかけていただきます。
そもそもヌックマムは何だと疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。一言でいうと、ヌックマムはイワシ類の発酵食品であり、ヌック=水、マム=魚介類の発酵食品を意味しており、すなわち日本の魚醬です。
ヌックマムの旨味を決めるのは素材となる魚であり、その中でも私はPhu Quoc 島のヌックマムが好きです。
レターズ(216号)でも紹介しましたが、2019年にアルパックの地域産業イノベーショングループでPhu Quoc 島を視察した際、島内のヌックマム工場を訪問しました。そこで職人さんのお話を伺うと、PhuQuoc ではヌックマムを作るのに、地引網漁で大量の新鮮なイワシ類を引き上げた直後、その船ですぐ塩を振ることで、魚の鮮度を最大限に活かし、臭みを抑えます。「魚10対塩4」の割合で塩漬けし、木製の樽に1年く
らい熟成させるそうです。恵まれたタンパク質の高い魚と職人の良い腕が相まって、Phu Quoc独自のヌックマムができ今でもベトナム人に愛されています。

Phu Quoc島内のあるヌックマム製造工場
現在、Phu Quoc 島に200カ所程度のヌックマム工場が活動しており、未だ島の主産業となっています。しかし、市販開拓力のある大手メーカーに勝てず、伝統産業の勢いがなくなってきており、閉鎖せざるを得ない工場も少なくありません。ヌックマムのファンの一人として、悶々としています。
PS : 上記の写真のように、1樽には4000ℓが入っていると言われています。
【おまけ】
「自家製のタチウオヌックマム煮の自己流レシピ」
1)タチウオは両面に塩をふって、色がつくまで軽く焼きます。
2)パイナップル、砂糖(適量)、ヌックマム(お好みで調整)、生姜(適量)、唐辛子(適量)、お湯を全て入れて強火で加熱し、沸騰したら火を弱めて、タチウオを入れゆっくり煮込みます。

自家製のタチウオのヌックマム煮
ホアン ゴック チャン:地域産業イノベーショングループ
223号(2020年9月号)の他記事
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