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254号(2026年6月)特集「こどもの学び場からはじまる、まちづくり」

住宅開発の影響を考慮した生徒数の推計


 兵庫県内某市の二つの中学校の再編統合による新中学校の生徒数を推計する業務で、校区内の住宅開発の影響を考慮する方法について提案しました。ここではその内容を一般化してご紹介します。

 兵庫県内某市の二つの中学校の再編統合による新中学校の生徒数を推計する業務で、校区内の住宅開発の影響を考慮する方法について提案しました。ここではその内容を一般化してご紹介します。

■推計方法の概要
校区内では3年後に完成予定の2つの住宅開発(1つは大規模開発)があり、将来の生徒数の推計にあたってそれらによる影響をどう評価するかがポイントでした。推計は、①推計時点の生徒数の実数、②推計時点の未就学年齢人口、③各年の6歳(小1)人口の推計値、④推計時点から3年後の開発による各年齢人口の増分の推計値の4つの数値をそれぞれ1年ごとにスライドさせて合計することで算出しています(図参照)。なお、11歳から12歳へのスライド時には地元中学校への就学率を考慮しました。

■開発による影響の推計
このうち④については、国土交通省による住生活基本計画における誘導居住面積水準の数値から、開発により供給される住戸面積と購入者の世帯類型パターンを想定し、就学年齢の人口を推計しています。誘導居住面積水準は、単身者は40㎡、2人以上の世帯は15㎡に世帯人数1人あたり20㎡(子どもは年齢により0.25~0.75人に換算)を加えた面積とされています。例えば両親と9歳(小4)の子ども1人(0.75人換算)の世帯は70㎡などとなります。
 このため開発により供給される70㎡の住戸は、誘導居住面積水準が70㎡以下になる世帯類型パターン(夫婦+9歳以下の子ども1人、夫婦のみ)の人が購入する(世帯人数が少なくてもより広い住戸を購入する可能性がある)と想定しました。こうした考え方に沿って開発により供給される各住戸の面積(実際には幅をもった区分設定)に応じて購入者の世帯類型パターンを想定しました。なお、校区内の住宅開発はファミリー向けの住戸が供給されることから、単身者の世帯類型パターンは除外しました。

■誘導居住面積水準を考慮した推計
 将来人口の推計において、誘導居住面積水準の考え方を取り入れた方法によって住宅開発の影響を考慮している例は少ないのではないでしょうか。今回は生徒数の推計でしたが、大人も含めた人口の推計にも使える方法です。なお、細かな設定(居住誘導面積の区分が同じ場合の世帯類型のパターンの振り分け、地元中学校への進学率の考慮など)はいろいろと工夫した点もありますので、関心のある方はお問い合わせください。

東京事務所長 坂井 信行

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