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254号(2026年6月)特集「こどもの学び場からはじまる、まちづくり」

日進市立西小学校改築基本構想 ・基本計画策定支援業務


 愛知県日進市は、名古屋市に隣接し、良好なアクセス性と落ち着いた住環境を併せ持つまちです。大学の立地や計画的な住宅地の整備により、子育て世代の流入が続き、近年では小学生の児童数が増加しています。一方で、公共施設の老朽化や教育環境の再整備といった課題も顕在化しており、学校施設のあり方がまちづくりの観点からも重要なテーマとなっています。

 愛知県日進市は、名古屋市に隣接し、良好なアクセス性と落ち着いた住環境を併せ持つまちです。大学の立地や計画的な住宅地の整備により、子育て世代の流入が続き、近年では小学生の児童数が増加しています。一方で、公共施設の老朽化や教育環境の再整備といった課題も顕在化しており、学校施設のあり方がまちづくりの観点からも重要なテーマとなっています。

 こうした背景のもと、本業務では小学校の移転改築に向けた基本構想・基本計画の策定に携わりました。単なる校舎の整備ではなく、これからの教育環境や地域との関係性を見据え、「学校のあるべき姿」を描くことが求められる業務です。対象地域は住宅地と農地が混在し、地域コミュニティのつながりが色濃く残るエリアであるため、教育施設としての機能に加え、地域交流や防災の拠点としての役割も期待されています。そのため、地域に開かれた学校のあり方を重視して検討を行いました。

 本業務では、児童や保護者、地域住民など多様な主体の意見を反映するため、児童・保護者へのアンケートに加え、地域住民を対象としたワークショップを1年間で2回、さらに在校生を対象とした児童ワークショップを実施しました。地域住民や保護者からは、現在通っている子どもやこれから通う孫を思う声、日頃から学校を見守ってきた地域住民の視点、そして卒業生としての記憶に基づく思いなどが寄せられました。また児童からは、現在の学校での思い出とともに、これからも残ってほしいこと、日常的に利用しているからこそ見える細かな施設への要望が挙げられました。こうした立場の違いから生まれる多様な思いに触れる中で、学校という場が、単なる教育施設ではなく、多くの人の記憶や地域とのつながりを支える存在であることを改めて感じました。また、時代が変わっても残してほしいものと、新たに求められる機能の両方が重なり合い、学校に求められる役割の広がりを実感しました。一方で、それらの意見を一つの方向性にまとめていく難しさもあり、対話を重ねながら合意形成を図ることの重要性を強く感じました。


 私自身、大学院時代には学校建築や学校図書館の研究に取り組む中で、学校司書や教職員など実際の利用者との対話を通じて設計された空間の方が、より豊かになると感じてきました。また、対話のプロセスに参加した人々が、自ら空間づくりに関わっているという実感を持ち、その後も主体的に関わり続けようとする姿勢が生まれることを学びました。今回の業務においても、ワークショップでの対話を重ねる中で、こうしたプロセスの重要性を改めて実感しています。完成後も、使い手が主体的に関わり続ける土壌が育まれていくことを期待しています。
 本計画は3月末に策定を終え、現在は設計者選定の段階に進んでいます。今後、設計者が児童や地域住民とともに検討を重ねながら、実際の空間として形になっていくことに大きな期待を感じています。

建築プラニング・デザイングループ 梅村 夏帆

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