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254号(2026年6月)特集「こどもの学び場からはじまる、まちづくり」

泉南市立西信達義務教育学校 建設プロジェクト


 泉南市では、少子化に伴う単学級の増加や学校施設の老朽化といった教育課題が生じており、学校の再編計画の策定を進めてきました。そこで、市は義務教育9年間を見通した切れ目のない教育の実現に向け、泉南市立西信達小学校と泉南市立西信達中学校を統合した「義務教育学校」の整備をすることを決めました。現在、その建設プロジェクトが進んでいます。

- 子どもたちの9年間の成長を支え、地域とともに歩む学び舎の創出 -

 泉南市では、少子化に伴う単学級の増加や学校施設の老朽化といった教育課題が生じており、学校の再編計画の策定を進めてきました。そこで、市は義務教育9年間を見通した切れ目のない教育の実現に向け、泉南市立西信達小学校と泉南市立西信達中学校を統合した「義務教育学校」の整備をすることを決めました。現在、その建設プロジェクトが進んでいます。当社は本プロジェクトにおいて、令和5年度から令和6年度にかけて、施設の基本理念の構築から、具体的な諸室構成、コミュニティセンターや消防分団詰所の複合化の検討に至る基本計画の策定、また、その計画を踏まえた事業手法の検討を支援しました。そして、基本計画策定後の延長線として、令和7年度より、学校等整備事業のモニタリング業務に取り組んでいます。

 新しい義務教育学校の基本理念を決めるにあたり、私たちは、地域住民に対するアンケートの実施や地域住民や学校関係者を交えたワークショップを実施しました。対話を通じて見えてきたのは、単なる校舎の更新を望む声ではなく、「9年間の学びを通じて子どもたちがどう育つか」「学校が地域にとってどのような拠り所であるべきか」という、深く温かい期待でした。この地域の強い結びつきを原動力に、私たちは「豊かな学び」、「安全・安心」、「多様なつながり」、「地域の核」という4つの柱を軸とした整備方針を策定し、具体的な施設計画へと展開しました。

 施設の整備方針として策定した4つの柱をより具体的にしていき、新しい義務教育学校の基本理念の実現に向け、検討を重ねていきました。「豊かな学び」としてはICT環境の完備や、個別・グループ学習に柔軟に対応できる空間を整備、9年間の成長を段階的に感じられる、創造的な学び場を目指しました。「安全・安心」としては、ユニバーサルデザインの徹底と、地域の防災拠点としての機能を両立、セキュリティを高めつつ、全ての子どもに居場所がある空間を追求しました。「多様なつながり」としては、学年を超えた交流や、教職員・地域住民との自然な会話が生まれる回遊性の高い設計、多様な人と触れ合うことで、社会性を育む環境を構築しました。そして、「地域の核」として、地域住民が日常的に立ち寄り、憩える機能を配置しながら、学校と地域の境界を緩やかに繋ぎ、双方が連携し続ける「地域の拠点」としての役割を明確にしました。

 現在、西信達義務教育学校は基本設計・実施設計を終え、施工段階に入っています。当社はその中で、地域住民や学校関係者の方々と作り上げた基本理念や施設の整備方針が齟齬なく、かつ、高い品質で具現化されているかを泉南市の視点に立って、確認しています。単に建物を建てることがゴールではありません。新しく誕生する西信達義務教育学校が、子どもたちの笑顔であふれ、地域の核として愛され続けることが重要です。計画から竣工、そして運用までを見据え、一歩先を行く専門性で事業を推進しています。

建築プランニング・デザイングループ 石橋 昂大

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