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253号(2026年3月号)うまいもの通信

vol.1「ウマいヒツジに手を染めて」


 従来、7番目の干支の「午」は奇しくも奇蹄目、8番目の「未」は偶然にも偶蹄目でしたが、20年ほど前に奇遇にも偶蹄目が鯨偶蹄目になっていました。クジラもカバも一緒くたなので、今後、河馬の立ち位置をはっきりさせるには河羊とでもするシカないですね。

 従来、7番目の干支の「午」は奇しくも奇蹄目、8番目の「未」は偶然にも偶蹄目でしたが、20年ほど前に奇遇にも偶蹄目が鯨偶蹄目になっていました。クジラもカバも一緒くたなので、今後、河馬の立ち位置をはっきりさせるには河羊とでもするシカないですね。
そんなわけで、事務所から遡らないこと徒歩5分。柳馬場蛸薬師西入ル、外観からかわいい印象の「ひつじ食堂」さんが取引現場です。誰が想像できるでしょう、ここで毎日のようにたくさんの羊が……。

お店の外観


 ドアを開けると、嬉々として羊肉を焼いては食らう人たち。焼けた羊脂のにおいが鼻腔を刺激する空間で、食べやすいサイズの肉片と化した仔羊たちが次々と消えていきます。素性を隠した潜入捜査のため普通の客を装った我々も、テーブル席へと案内されます。上ラム、ラムタン、ナマ、ラムランプ、ナマ、やみつききゅうり、ラム手刀。羊肉が苦手な若手の手も止まりません。
 善良なる一市民からの「ヤバぃ取引がされている」との事前情報もあり、「手を出すな、これは俺が……」と制止したのですが。くそぅ。
そのうちヒツジが効いてきたのか「ラムとマトンとミトンは誰にでも手に入るが、ミトンにだけは手が入る。ホシは……鯨偶蹄目だ!」などとつぶやきながら、若手ふたりは所に戻っていったのでした。


焼けた羊脂のにおいが鼻腔を刺激する

焼けた羊脂のにおいが鼻腔を刺激する

うメェ~生ハム

うメェ~生ハム

 

《DETA》
「ひつじ食堂」 京都市中京区十文字町432-7

廣部 出

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