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Letters arpakプラッと貴生川 ~駅前空間の市場性と社会性の検証~
滋賀県甲賀市で、昨年度の交流拠点施設の基本計画支援業務に引き続き、社会実験の支援業務を行っています。対象となる貴生川駅は、3つの鉄道が乗り入れ、通勤や通学時には多くの人が利用する一方、日中の滞在者数が少ないことが課題となっており、駅南口での交流拠点整備などが計画されています。
滋賀県甲賀市で、昨年度の交流拠点施設の基本計画支援業務に引き続き、社会実験の支援業務を行っています。
対象となる貴生川駅は、3つの鉄道が乗り入れ、通勤や通学時には多くの人が利用する一方、日中の滞在者数が少ないことが課題となっており、駅南口での交流拠点整備などが計画されています。
昨年度は、交流拠点の検討に向けた社会実験を約2か月間実施しました。今年度も11月8日から12月25日までの48日間、貴生川駅南口の広場で、社会実験「プラッと貴生川」を開催しました。今後、まちづくり会社を設立することも視野に入れ、「子育て世代」「若手社会人」「学生」をターゲットに設定し、テナント運営の収支といった「市場性」、運営者やテナント出店者の確保、滞在人口の増加といった「社会性」について検証しました。
社会実験の企画・運営は、貴生川エリアプラットフォーム内の「まちづくり会社準備会」が主体となり実施しました。広場にはトレーラーハウス2台を設置し、日替わりで飲食店や物販、マッサージなどのリラクゼーション店舗が出店しました。他にも、キッチンカーの出店やサッカー、映画上映会などのイベントを開催し、昨年度と比較して、約3倍の店舗・イベントが出店しました。トレーラーハウス内には机と椅子、図書コーナーを設置し、テナント出店がない際には、電車の待ち時間を利用して仕事をする方や、高校生が勉強する姿も見られました。
社会実験期間中には、ビッグデータ分析や、出店者・テナント・イベント利用者へのアンケートを実施。その結果、周辺道路の通過人口や歩行者量、広場の滞在人口の増加が確認されました。アンケートでは、市内の30~50代の子育て世代の主な利用が見られ、イベント時には市外からの来訪者も増えていることが分かりました。一方で、出店者アンケートでは、収益性のあるテナントが飲食に偏っていることや、通過人口の増加が課題として挙げられました。
今後は、社会実験の結果を踏まえ、「まちづくり会社準備会」のメンバーと共に、まちづくり会社の設立に向けた検討を進めていきます。
ソーシャル・イノベーティブデザイングループ 宮英理子
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