レターズアルパック

Letters arpak
   
249号(2025年1月号)まちかど

リスボンで開催されたWALK21に参加しました


10月14日からの5日間、ポルトガル・リスボンで開催された、ウォーカブルに関する専門家や官僚らが集う国際学会WALK21に参加しました。御堂筋回遊プロジェクトのポスターセッションに投稿したことがきっかけです。

 10月14日からの5日間、ポルトガル・リスボンで開催された、ウォーカブルに関する専門家や官僚らが集う国際学会WALK21に参加しました。御堂筋回遊プロジェクトのポスターセッションに投稿したことがきっかけです。
 世界中から実践者や研究者が集まり、大学キャンパスを会場に多彩なセッション、ワークショップやまちなかのツアーが行われました。政策・意思決定のプロセスデザインに関するもの、ウォーカブルの指標やツールに関するもの、団地や街中の再生計画にウォーカブルな空間を取り入れたもの、脱炭素の効果を論じたものなど、どれも非常に興味深いものばかり。

バルセロナのスーパーブロック、交差点のど真ん中が歩行者空間に

バルセロナのスーパーブロック、交差点のど真ん中が歩行者空間に

 特に秀逸と感じたのが2点。1つは学会専用アプリ。インストールするとプログラム確認だけでなく、全参加者を閲覧しチャットでメッセージも送り交流することができます。もう1つはネットワーキングの仕掛け。会場だけでなく歴史ある市庁舎や植物園とユニークベニューも意識した素敵な場所で、食べ物・飲み物も振る舞われて参加者とディスカッションできる時間がふんだんに組み込まれていました。飲み会で打ち解け楽しむのは万国共通、世界中の方と貴重な交流・情報交換ができました。

植物園でのカンファレンスディナー

植物園でのカンファレンスディナー

 リスボンは坂道の景観が印象的で、程よいのどかさがあり、伝統的な音楽ファドに代表される哀愁を感じる素敵な街でした。
 その前後には同じくウォーカブルや脱炭素に最前線で取り組んでいるパリ、バルセロナを訪問。

坂の街リスボンを象徴するケーブルカー

坂の街リスボンを象徴するケーブルカー

 パリは念願のシャンゼリゼ通りに。オリンピックも追い風に、各所で歩行者空間や緑地を拡張するとともに、自転車都市を目指して専用レーンをものすごい勢いで整備していました。
 バルセロナのランブラス通りは側道も歩道に変える工事を実施、またスーパーブロックのシェアードストリートは進化を遂げ、コンセル通りは歩車が上手く共存し、歩行者が優先され親子連れがゆったりと緑豊かな街路を楽しむ様子に感銘しました。
 いずれの都市も街路の改変を連鎖的かつダイナミックに取り組み、ウェルビーイング溢れる街中を創り出しています。プランナーは海外に出て行き、日本との違いを感じながらも独自性をアピールする経験を積むべきと思います。大阪・関西も負けていられない、と大変な刺激を得た10日間でした。

都市再生・マネジメントグループ 絹原一寛

249号(2025年1月号)の他記事

バックナンバーをみる

タグで検索

ページトップへ