レターズアルパック
Letters arpakカーボンニュートラルはScope3の時代へ
世界で脱炭素やカーボンニュートラルの議論や取組が進み、日本でも「2050年カーボンニュートラル」が進められています。
世界で脱炭素やカーボンニュートラルの議論や取組が進み、日本でも「2050年カーボンニュートラル」が進められています。
こうした中、豊田市では2021年より「豊田市脱炭素スクール」を始め、現在4期目を迎え、また、トヨタ紡織協力会Sunshineが主催する「Sunshine脱炭素スクール」は3期目、ひょうご持続可能地域づくり機構(HSO)も今年度から新たに「ひょうご脱炭素経営スクール」を追加開催しています(ともに大阪大学大学院工学研究科招聘教員(環境・エネルギー工学専攻)を兼任する畑中が全体講師(レターズ235号、240号記事参照))。
これまでは自社で使用する電気やガス・燃料等の〝見える化〟に未着手の事業者が多く、世界・社会動向や脱炭素経営に取り組む意義を伝えながら、Scope1,2を中心とする各社の脱炭素経営アクションプランの策定を応援してきました。
しかし最近、最終製品メーカーからサプライヤーに対して、Scope3(自社の活動に関連するサプライチェーンのCO2排出量)削減の取組が求められるようになってきました。これに伴い、スクール参加企業からも相談が増えています。このため、第4期豊田市脱炭素スクール等では、Scope3への対応や見える化に取り組む特別コースの設置を始めました。
Scope3は製品の原材料調達から製造、販売、消費、廃棄に至るまで15のカテゴリに分かれていますが、サプライヤーでCO2排出量が多いと想定されるのはカテゴリ1(原材料調達)、カテゴリ4(輸送・配送)、カテゴリ5(廃棄物)。講義後、調達している原材料の洗い出しをしてみると、中小企業でもScope1,2の何倍ものCO2を排出しているところもあることが分かってきました。何事も「見える化」は重要ですね。
なお、本記事に関連し、畑中らが日本LCA学会誌へ寄稿しています(タイトル:自動車関連産業クラスターにおけるサプライチェーン排出量削減に関する動向と課題:豊田市等での取組を題材に)。次の日本LCA学会誌のwebからご覧ください。
日本LCA学会誌
地域産業イノベーショングループ 江藤慎介
249号(2025年1月号)の他記事
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