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249号(2025年1月号)今、こんな仕事をしています

1300年の歴史から持続可能性を考える~古からの祈りを未来へ~


薬師寺の東塔は、1300年の歴史の中で、幾度も火災や地震、台風などに見舞われてきましたが、唯一、創建当初から現存している平城京最古の建造物です。

 薬師寺の東塔は、1300年の歴史の中で、幾度も火災や地震、台風などに見舞われてきましたが、唯一、創建当初から現存している平城京最古の建造物です。
 平成21年に史上初の全面解体修理が始まり、修復工事を経て、令和3 年2 月に竣工しました。
 この度、有形の文化遺産を支え続ける「伝統建築工匠の技」と千年に亘る修復や勧進、再興の物語をSDGsの視点で巡る旅のお手伝いをさせていただいています。
 この旅のプログラム前半はお写経体験です。薬師寺は、天武天皇により自分の中宮の病を治すために、祈りの心で建てられた建物といわれています。また、東塔の全面解体修理は国宝ということで国費が利用されていますが、白鳳伽藍復興は全て一般の方々の「お写経勧進」の浄財でなされています。お写経は、時代とともにその求められる役割は変遷してきていますが、今は、自分の心と向き合うためにされておられる方が多いようです。
 午後は、薬師寺宮大工の石井浩司棟梁とともに1300 年という歴史を超え伝え続けられてきた宮大工の真髄についてお話をうかがいます。西岡常一棟梁から伝えられた「創建当時の工人の心になって仕事しなさい」「うそ偽りのない本当の仕事をしなさい」の言葉をどう受け止め、その真意について、解体修理を通じて、石井浩司棟梁はどう感じたのか。なぜ、1300年もあり続けたのか。お話を聞きながら体感します。


 気象災害等の予想技術もない時代に無病息災を願い、また1300年という自分がコントロールできない長い時に思いをはせた時に、持続可能なまちに向けて、私達は何をすべきか。そんなことを考える機会になっています。
 本事業は、公益社団法人ソーシャル・サイエンス・ラボ、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁が主催しています。今年度は、1月18日にも開催します 。

⽇本博2.0公式HP → https://www.bunka.go.jp/seisaku/nihonhaku/index.html

1月18日のお申し込みはこちら → 薬師寺ガイドツアー(名工と行く)

サスティナビリティマネジメントグループ 中川貴美子

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