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249号(2025年1月号)今、こんな仕事をしています

戎橋筋商店街のオーバーツーリズム対策 “環境マネジメント”を支援しています


世界各地の観光地でオーバーツーリズムが深刻化している中、大阪・なんばの戎橋筋商店街においても、オーバーツーリズムの諸問題として、特に環境的問題(テイクアウトによる食べ歩きやポイ捨て、混雑等)が生じています。

 世界各地の観光地でオーバーツーリズムが深刻化している中、大阪・なんばの戎橋筋商店街においても、オーバーツーリズムの諸問題として、特に環境的問題(テイクアウトによる食べ歩きやポイ捨て、混雑等)が生じています。
 来年度には万博が控えており、さらなる来街者の増加が想定される中、今年度は答えのないオーバーツーリズムへの対策を研究・実践するべく、商店街・街内店舗等からなる〝環境特別委員会〟を編成、取組をスタートしました。
 本取組のポイントは、店舗・観光客、各主体の〝当事者としての参加〟を促すコーディネートです。街内では、食べ歩きやポイ捨て、混雑の発生等を通じて、店舗同士や店舗・観光客間で無用な軋轢が生じています。店舗は、観光客志向に走らず街内の環境マネジメントを担う一員としての意識を持って振る舞うこと、観光客は、観光地に敬意を持ち、環境に対する責任ある行動を実践すること、そのための人の行動デザインが求められています。
 委員会で様々な対策を議論する中で、軋轢の解消に向けては、結局は各主体の相互理解を図るためのご近所さん的コミュニケーション・人情が大事であるという発言があり、商店街組織ならではのマネジメントのあり方を感じました。そのような精神性こそが、各店舗が商店街という共同体の一員であるという意識を育み、さらに観光客が真に求める文化的体験にもなり得るのだと思います。
 環境のマネジメントを通じて、単なる街内の美化を超えた、商店街として訴求できる価値とは何かを問いながら、店舗、観光客の行動変容を促すムーブメントへと昇華させるべく、引き続き支援していきたいと思います。

環境特別委員会で議論した環境マネジメントの考え方

環境特別委員会で議論した環境マネジメントの考え方

 

都市・地域プランニンググループ 竹中健起

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