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Letters arpakアルパック・パーソナル・ヒストリー・アーカイブプロジェクト リレーセッション 第4回 北條誠
北條さんを一言で表現すると、「かっこいい」。建築家としてはもちろん、仕事への姿勢、美意識、遊び方、ネットワーク、趣味…パーソナルヒストリーのどこを切り取っても、かっこいい。アルパックの所員は仕事と同じくらいプライベートも充実させていて、多趣味・多芸多才な人が多いイメージがありますが、北條さんはその代表のような方でした。
北條さんを一言で表現すると、「かっこいい」。建築家としてはもちろん、仕事への姿勢、美意識、遊び方、ネットワーク、趣味…パーソナルヒストリーのどこを切り取っても、かっこいい。アルパックの所員は仕事と同じくらいプライベートも充実させていて、多趣味・多芸多才な人が多いイメージがありますが、北條さんはその代表のような方でした。
入社は1974年。道家さん(前回ご登壇いただきました)に誘われてアルパックに入社し、仕事終わりに祇園(高級料亭が立ち並ぶ、京都一の繁華街)に行っては何度も朝まで飲み明かしていたそうです。その後道家さんと共にアルパックを退職されるまでの17年間のうち、数多くのプロジェクトを手掛けられたわけですが、その全てが当然建築物だと思いきや、中には地区整備計画や総合計画などもありました。これは北條さんがその方面でもエキスパートだったから…というミケランジェロ的な理由ではなく、単に「おもしろそうだから」。若い時、特に20代はたくさん勉強をして、いろいろな情報をインプットした方がいいと考えていた北條さんは、例え建築以外のことでも手を挙げ、一所懸命に取り組んでいたそうです。事実、そういった経験があったことで北條さんの活躍はアルパック退職後に飛躍的に広がります。単なる建築物だけではなく、周りの環境、文化、歴史、都市計画などを調べた上で「小さなまちづくり」として建築を行う北條さんの仕事は高く評価され、京都に本社を構える世界的総合モーターメーカーの社屋をはじめ、庁舎、病院、大学、商業施設等々、京都の至るところでその実績を目にすることができます。
北條さんの好きな言葉は、進化論を唱えたダーウィンの「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるものでもない。最後に残るのは変化(進化)できるものである。」だそうです。これぞまさに北條さんの建築であり、生き方そのもののように感じます。普通の仕事ではなく、いい仕事、おもしろい仕事、今までにない仕事。そうやって進化し続けている北條さんは、やはり「かっこいい」のでした。
倉見祐子
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