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Letters arpak坂のまちのこれからを考える
神戸と言えば海と山のまち。地形的に平地が少ないこともあり、市街地が山裾まで広がっています。坂のイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。その神戸市、少し前に人口が150万人を切ったと話題になりました。
神戸と言えば海と山のまち。地形的に平地が少ないこともあり、市街地が山裾まで広がっています。
坂のイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
その神戸市、少し前に人口が150万人を切ったと話題になりました。人口減少が進んでいる要因の一つとして考えられているのが、坂のまちであることです。山裾に広がった市街地において、市街地の更新や人口の入れ替わりがうまく進んでいないことが人口減少に影響を与えています。坂のあるまちが今、どのような状況にあるのかをデータやヒアリング等から明らかにし、今後なにをするべきか、その方向性について検討を進めています。

階段から出入りする住宅
一言に坂のあるまちと言っても、その状況は一様ではありません。ブランド化された高級住宅地もあれば路地的で住宅が密集している地域も、駅から近く利便性の高い地域もあれば、不便だが眺望がすばらしい地域もあります。また、戦後の人口増加期に、スプロール的に市街地が開発された地域もあり、接道していない住宅が多い、管理者が分からない道路がある、車が入れない細い道や階段が多い、土砂災害のリスクを抱えているなど、様々な課題を抱えているのも坂のあるまちの特徴です。
そのような課題に対して新たな取り組みも。不動産事業者が、エリアの古い建物を複数買取り、眺望を活かした魅力的な建物やカフェなどの住宅以外の用途の建物にリノベーションし、エリア全体で価値を高めている例も出てきています。
一つの建物だけの取り組みだけでは限界があり、複数の建物を一体的に再整備する、道路の整備を進めるなど、エリアとしての取り組みは不可欠です。坂を活かした神戸らしいエリアが一つでも増えること、それが神戸のまちとしての魅力向上に大きくつながると感じています。

斜面住宅地から海を望む
ソーシャル・イノベーティブデザイングループ 橋本晋輔
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