レターズアルパック
Letters arpak自分の手で紙に想いを込める
手紙には、不思議な力があります。文字通り「心を込める」ことができるツールとして、メールやSNSとは違った温かさを感じさせてくれます。最近は、手紙を書く機会が減ってしまったものの、その魅力は消えていません。むしろ、あえて手紙を送ることで、相手に対して特別な想いを伝えることができると考えています。
手紙には、不思議な力があります。文字通り「心を込める」ことができるツールとして、メールやSNSとは違った温かさを感じさせてくれます。最近は、手紙を書く機会が減ってしまったものの、その魅力は消えていません。むしろ、あえて手紙を送ることで、相手に対して特別な想いを伝えることができると考えています。
私自身、手紙の大切さを実感した経験があります。それは、大学受験期、進路に悩む私に兄から渡された手紙でした。普段兄とはたまに会話するくらいの仲でしたが、当時もらった手紙には、便箋12枚ほどびっしりアドバイスとエールが丁寧に綴られており、それが大きな励みになり、心に染みたのを覚えています。普段のやり取りでは何気ない会話で終わってしまいますが、手紙になると、人の気持ちや温かさが、手書きの文字からじんわりと伝わってきます。この体験を通じて、手紙の良さを再認識しました。手紙を書くには時間がかかりますが、その分、相手のことを考えながら一言一句に気を配る必要があります。それが、受け取る側にとっても「自分のことを大切に思ってくれている」という安心感を生むのだと思います。
この「想いを伝える」という手紙の特性は、まちづくりにも通じるものがあると感じています。私は、まちづくりの仕事に関わる中で、地域の人々とのコミュニケーションの大切さを痛感しています。地域の課題を解決するためには、住民一人ひとりの意見を聞き、その声に耳を傾けることが重要です。手紙が人と人を繋ぐように、住民同士が互いに共感し合い、信頼関係を築くことが、地域をより良くしていくための第一歩だと思っています。私が参加するワークショップでは、住民の皆さんが自分の考えや意見、希望を率直に伝え合う場面が多々あります。普段はあまり自分の考えを表に出さなさそうな人も、一生懸命自分の想いを言葉で伝えようとされます。その真剣な姿勢に触れることで、他の参加者も次第に心を開き、活発な意見交換が行われます。まちづくりにおいて、誰もが手紙を書くように「丁寧に想いを伝える姿勢」が、何よりも重要なのだと感じた瞬間でした。
手紙の持つ力は、ただのコミュニケーションを超え、相手との信頼を深める手段でもあります。それは、まちづくりにおいても同じだと思っています。住民一人ひとりが、相手の声に共感し、理解し合うことで、より良い地域を創り上げることができるのだと思います。
地域産業イノベーショングループ 有田建哉
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