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Letters arpak森に還り次世代を潤す墓地
世帯構成や価値観の変化により樹木葬墓地が選択されるようになっています。昨年度、神戸市より、樹木葬墓地の検討を行うための基礎調査を受託しました。民間ホームページによると、新規でお墓を購入される方は、すでに一般墓よりも樹木葬をはじめとした合葬墓を選択される方の方が多いとのことです。核家族化・単身化などの世帯構成の変化や価値観の変化が影響していると考えられます。
世帯構成や価値観の変化により樹木葬墓地が選択されるようになっています。
昨年度、神戸市より、樹木葬墓地の検討を行うための基礎調査を受託しました。民間ホームページによると、新規でお墓を購入される方は、すでに一般墓よりも樹木葬をはじめとした合葬墓を選択される方の方が多いとのことです。核家族化・単身化などの世帯構成の変化や価値観の変化が影響していると考えられます。
日本はすでに多死社会を迎えています。今後、団塊の世代の死亡も控えていることから、死亡数及び改葬数はより一層増加すると考えられ、合葬墓はより一層需要が高まると考えられます。
その中でも、樹木葬型の合葬墓は自然志向型の方が選ぶ傾向もあります。樹木葬墓地について研究されている学識者にヒアリングしたところ、海外には次世代のグリーンインフラとして貢献する意識から樹木葬がトレンドとなっている国もあるそうです。
先進的な事例として、ドイツのオールスドルフ墓地を教えていただきました。魅力ある空間として整備されている空間は、墓地需要に応じて公園と墓地のバランスが変わるようになっており、公園墓地利用のプロジェクトが住民参加で進められています。例えば、墓地のなかでヨガ教室が行われるなど、生きている人と亡くなった人の共存が図られているとのことでした。
日本などの祖先崇拝の習俗がある国では、墓地は容易に改廃できない施設と言えます。一方、都市部で新規に墓地・墓苑を整備することは容易でない中、墓地を都市のインフラとして持続的に運用する視点は重要であり、公園と墓地の一体運営は有効です。公園墓地が当たり前になる、そんな時代がやってくるかもしれません。
生活デザイングループ 竹内和巳
246号(2024年7月号)の他記事
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