レターズアルパック
Letters arpak台湾最大級のスタートアップ支援施設「t.Hub」
レターズ242号で紹介した先進的イノベーション拠点の「STATION F」(フランス・パリ)に続き、台北市に開設された「t-Hub」(26000平方メートル)にヒアリングを行いましたのでご紹介します。半導体産業が急成長を遂げている台湾ですが、t.Hubは2020年8月、台北市東部の内湖科技園区(ソフトウェア企業や電子産業が多数立地するサイエンスパーク)に開設されました。市内中心部からMRTで30分、松山空港からは15分とアクセスに恵まれています。
レターズ242号で紹介した先進的イノベーション拠点の「STATION F」(フランス・パリ)に続き、台北市に開設された「t-Hub」(26000平方メートル)にヒアリングを行いましたのでご紹介します。
半導体産業が急成長を遂げている台湾ですが、t.Hubは2020年8月、台北市東部の内湖科技園区(ソフトウェア企業や電子産業が多数立地するサイエンスパーク)に開設されました。市内中心部からMRTで30分、松山空港からは15分とアクセスに恵まれています。
台北市が底地を提供、大手ディベロッパーの宏匯瑞光股份有限公司がPFIで開発・建設、スタートアップ支援施設は財団法人工業技術研究院(ITRI)が運営しています。
特徴の一つは、三棟からなる建物の一つはLINE本社が入っており、集積のブランド化が構築されていることです。
次に、t.Hubのスタートアップ支援施設は、コワーキングスペース、試作室と入居スペースからなり、AI+AioT、ビッグデータ、クラウドサービス、教育等、261社(令和5年12月現在)が入居し、稼働率は概ね100パーセントに達しています。スタートアップ支援として、海外の展示会への出展や海外のパートナーとの連携を支援しているITRIは、日本の独立行政法人産業技術総合研究所のような機関ですが、技術研究・開発に加えて、ビジネス支援機能を強化しており、t-Hubもマーケティング等を専門とするスタッフが活躍している点です。
三点目は、エコシステムがデザイン化されている点です。VC等のビジネスネットワークに加えて、台北広域圏には新設のビジネスコミュニティが重層的に存在し、キーストン的な組織・人物が存在し、ネットワークが構築されています。
訪問時に開催されていたピッチを見学させてもらいましたが、英語でのデモも少なくなく、出会ったスタートアップの多くから、ビジネスへの熱量と台湾から世界市場を目指す気概がひしひしと伝わってきました。
※本文に記載した情報はヒアリングを基に作成しています。
地域産業イノベーショングループ 貴船律子
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