レターズアルパック
Letters arpak中山間地域の集落の存続に向けたお手伝い~高野山麓に位置する農村集落の自主的・主体的な地域づくり
ソーシャル・イノベーティブデザイングループでは、都市計画にとどまらず、さまざまな幅広い分野の仕事に関わっています。中山間地域での地域づくり支援もその一つです。人口減少が都心部よりも顕著に進む中山間地域においては、公共交通サービス機能の低下や、生活サービス機能の低下などが進行するとともに、地域活動の担い手不足などの問題が顕在化しています。
ソーシャル・イノベーティブデザイングループでは、都市計画にとどまらず、さまざまな幅広い分野の仕事に関わっています。
中山間地域での地域づくり支援もその一つです。人口減少が都心部よりも顕著に進む中山間地域においては、公共交通サービス機能の低下や、生活サービス機能の低下などが進行するとともに、地域活動の担い手不足などの問題が顕在化しています。昨年度からそのような中山間地域である、和歌山県かつらぎ町志賀地区の地域づくり支援に地域づくりアドバイザーとして関わらせていただいています。
志賀地区は高野山麓に位置し、昔から高野山の参詣道として栄えた地区で、後醍醐天皇から刀剣を賜ったと伝えられるなど古くからの歴史がある集落です。現在でも田畑が広がり、茅葺の建物が点在し、梅雨時には蛍が飛び回るなど、昔から変わらない景観が残っています。また、高野山の影響を受けた風習や文化も維持されています。しかし、全国の様々な中山間地域同様に高齢化や人口流出が続き、集落の存続が危ぶまれています。その危機感から、住民の有志で「〝灯りの里〟志賀寄合会」を立ち上げ、集落の存続に向けて話し合いを続けてきました。今回の私どもの仕事は、この寄合会とともに「集落の将来のありたい姿(目標)」、「まちづくりの方針(戦略)」、「そのためにすること(戦術)」を考え、実際に動き出せるように支援していくことになります。
1年間の話し合いの結果、地域の連携を高める「大人食堂」や、大学生と連携した「SNSを活用した魅力発信」などの企画が進んでいきそうです。
近年、「無住集落」、「村おさめ」など、集落の活性化や維持以外の選択肢も検討しなければいけない状況になってきました。どのような選択肢を選ぶのか。大切なことは、「集落の方が話し合い、自分たちで選択すること」です。集落の方の伴走支援として、お役に立てればと思います。
ソーシャル・イノベーティブデザイングループ 藤田始史
246号(2024年7月号)の他記事
バックナンバーをみる
タグで検索