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245号(2024年5月号)きんきょう&イベントのお知らせ

アルパック・パーソナル・ヒストリー・アーカイブプロジェクト リレーセッション 第2回 松本明


第2回目では、前京都事務所長の松本明さんにお越しいただき、建築・都市計画の道を志した背景から、アルパックで携わった仕事、さらには今後のコンサルタントが確立すべき職能といった話等、幅広くお話しいただきました。 そもそも、「松本さん」についてですが、私が入社する前年度に退職され、直接お会いするのは、多分今回が初めてだったと思います。

 第2回目では、前京都事務所長の松本明さんにお越しいただき、建築・都市計画の道を志した背景から、アルパックで携わった仕事、さらには今後のコンサルタントが確立すべき職能といった話等、幅広くお話しいただきました。
 そもそも、「松本さん」についてですが、私が入社する前年度に退職され、直接お会いするのは、多分今回が初めてだったと思います。
 「松本さん」については、今でも様々な場面で話題に上がることが多く、所員からは「アルパックの良心」や「京都市の都市計画や市民参加ワークショップのパイオニア」というような話を耳にしてきました。その影響もあり、「どんな人なのだろう」という期待が大きかった中でお話を聞き、所員が語る松本さんについて、少しだけ実感をもった理解ができたかなと感じています。特に印象に残ったお話が2つあります。
 1つ目は、「京都でのまちづくり」についてです。
用途地域の見直しのため、現地をくまなく調査した話や道路空間で交通量配分論が原則であった当時に、人中心の道路空間をつくりあげていくために行った工夫等、今につながる京都市をつくられていたという実感があり、住民のための都市計画をしていくためにどうしていけばいいかということを考えながら仕事をされていたように伺えました。
 2つ目は、コンサルタントという職能についてです。
今は、チャットGPTにまちの問題などを聞いたら、答えが返ってくるような時代になっています。情報が手軽に得られるようになった時代の中で、今後は専門性を確立することが難しくなるという話がありました。いつかは、都市計画マスタープラン(以下、都市マス)もチャットGPTにいれたら、作れるのではないかということも言われ、所員から、そんな中で今、都市マスをつくっていく意義についての質問がありました。松本さんからは、「都市マスも制度としては可能性を秘めており、そもそも、都市マスのように地域を計画するという行為は、都市を成熟させるうえで大切なことである。コンサルタントとして、まちで求められているものが本当に表現されているかというところを真摯に向き合うことで、意義を見いだすことができるのではないか。そのためにも、一緒に高め合っていけるクライアントを見つけられるかどうかも、コンサルタントとして大切なことかな」というお話もありました。
 第2回目では社会を読み解きながら、コンサルタントとしてどのような立場で地域に関わってきたかを振り返り、今後私たちはどう関わっていけるかを、考えることができた時間になったのではないかと思います。

実行委員 内野絢香

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