レターズアルパック
Letters arpak雨あがりと日本人
学生時代に、留学生から「日本人は雨との付き合い方が上手だ」と言われたことがあります。思い返せば、雨があがると号令がかかったかのように、マンションの住民がベランダに出現し布団を干していた光景が幼少期の記憶として残っています。今では、ランドリールームを設置する家が増えたことや家電の普及によってなのか、あまり目にしなくなりました。他にも色々と思いつきますが、雨があがるとすぐに行動するのが日本人の特徴なのかもしれません。
学生時代に、留学生から「日本人は雨との付き合い方が上手だ」と言われたことがあります。思い返せば、雨があがると号令がかかったかのように、マンションの住民がベランダに出現し布団を干していた光景が幼少期の記憶として残っています。今では、ランドリールームを設置する家が増えたことや家電の普及によってなのか、あまり目にしなくなりました。他にも色々と思いつきますが、雨があがるとすぐに行動するのが日本人の特徴なのかもしれません。
歴史を遡れば、戦国時代では雨を利用した戦法によって戦況が大きく変化した事例も多いです。その点で、個人的にすごいと思う戦術家は織田信長と豊臣秀吉です。
桶狭間の戦いでは、今川本陣北方の山中から迂回奇襲攻撃をしたことが通説となっていますが、近年になって新説が出てきています。合戦直前に豪雨となり今川家は兵力を分散させるなど油断しており、雨あがり直後に織田軍が銃撃戦を仕掛けて今川軍が総崩れになったという新説です。他にも長篠の戦いでは、信長軍は梅雨明けのタイミングに合わせて武田軍への進軍ペースを落としたのではないかという説も出てきています。銃撃戦を得意にしていた信長軍として信憑性は高いかなと思ってしまいます。歴史小説ですが、「梅雨将軍信長」という作品もありますよね。
豊臣秀吉は、「水攻め」の戦法が有名ですが、高松城での水攻め実施後に本能寺の変が起こり、山崎の戦いで明智光秀に勝利します。この戦いでも雨が降っていたようで、少数の明智軍の銃撃戦を警戒して雨の間に戦を仕掛けたのではないかとも言われています。
歴史話が続きましたが、現代の話に戻ります(ここから私の小噺も雨あがりかな?)。
現代を過ごす私には、雨あがりの楽しみ方があります。乳幼児が2名いるので、雨のお出かけはとても大変です。なので、雨あがりのタイミングを狙って、買い物に出かけるのです。その時に、2歳の娘はお気に入りのレインコートを身にまとい、長靴を履いて水たまりを踏みながら駐車場に向かいます。雨あがりに雨を楽しむ娘を見ながら、私の頬と財布の紐は緩むのです。そんな日が過ごせる梅雨も悪くはないものですね。
公共マネジメントグループ 水野巧基
245号(2024年5月号)の他記事
バックナンバーをみる
タグで検索