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244号(2024年3月号)メディアウオッチ

「評伝・西山夘三」~20世紀の「すまい」を創った建築家~


「評伝・西山夘三~20世紀の「すまい」を創った建築家~」が出版された。著者は、西山研究室ОBの広原盛明京都府立大学名誉教授。西山先生は、大阪・西九条の町工場に生れ、三高・京都帝大を卒業、京都大学建築計画学講座教授(三代目)を務めた。

「評伝・西山夘三」~20世紀の「すまい」を創った建築家~

「評伝・西山夘三」~20世紀の「すまい」を創った建築家~


 「評伝・西山夘三~20世紀の「すまい」を創った建築家~」が出版された。著者は、西山研究室ОBの広原盛明京都府立大学名誉教授。
 西山先生は、大阪・西九条の町工場に生れ、三高・京都帝大を卒業、京都大学建築計画学講座教授(三代目)を務めた。亨年83歳(1994年)で没して30年になる。西山先生は、3つの時代を生きた。第一期(1911年~1945年)では、住宅営団の技術官僚として住宅研究に取り組む。第二期(1945年~1974年)は、戦後復興期に、京大職組初代委員長、新日本建築家集団(NAU)、民主主義科学者協会など、戦後日本の復興と民主化に取り組む。高度成長期には、香里団地や千里ニュータウンの計画、万博会場計画などに係わり、日本学術会議の委員として「国土開発に関する提言」を発表。第三期(1974年~1994年は、大学退官後、京都の市電を守る運動、全国の伝統的町並みを守る運動など、市民まちづくり運動に参画。
 西山先生は、「住み方調査」を通して「食寝分離」など住生活の型=住様式を発見し、わが国の住宅政策に貢献した。「これからのすまい」「住み方の記」「日本のすまい」をはじめ多くの著書を著した。東の丹下健三、西の西山夘三、と並び称された。
 20世紀の「すまい」を創った建築家、西山夘三について、門下生の広原盛明先生は、恩師・西山夘三の足跡を辿りながら、西山先生が残した学問的業績や社会的な役割について、縦横に、切れ味鋭く、語っている。
 西山先生の業績に学びながら、日本のまちづくり、地域づくり、住宅政策を進めていきたい。

相談役 杉原五郎

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