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244号(2024年3月号)きんきょう&イベントのお知らせ

適塾路地奥サロン報告


さる2月初め、アルパック大阪事務所に広原盛明氏をお招きして、今年最初の適塾路地奥サロンを開きました。氏は京都大学工学部建築計画講座・地域生活空間計画講座の教授であった西山夘三(1911~1994年)のもとで長く助手を務めておられ、研究者としての西山を最もよく知る人物といえるでしょう。

「20世紀の『すまい』を創った建築家 西山夘三の生涯を語る」
講師 京都府立大学名誉教授 広原 盛明氏
(第61回 2024年2月2日)

 さる2月初め、アルパック大阪事務所に広原盛明氏をお招きして、今年最初の適塾路地奥サロンを開きました。氏は京都大学工学部建築計画講座・地域生活空間計画講座の教授であった西山夘三(1911~1994年)のもとで長く助手を務めておられ、研究者としての西山を最もよく知る人物といえるでしょう。

撮影:神谷潔(スタジオ北山山荘)

撮影:神谷潔(スタジオ北山山荘)

 そもそも、西山先生が呼びかけ、その門下生である浅田・霜田・三輪が組織して成立した独立系都市計画コンサルタントがアルパックですから、広原氏の語るお話は会社創立当時の空気を見事に伝えるものでした。
 20世紀という激動の時代、日本が発展途上にあった頃に西山先生が調査し研究した庶民の住み方の様式、法則は現代のすまいに直結しているだけでなく、他の国や地域においても通用するものです。また高度成長期最後の一大プロジェクトだった大阪万博の会場計画では、実はアルパック創業メンバーを含む西山研が当初のコンセプトを立案していました。関西の復権を賭けて大変精力的に取り組んだ西山先生でしたが、かねてからお偉方には睨まれていた都合、財界の思惑も絡んで彼が万博の実現段階に携わることはなくなったのだそうです。
 大阪万博以後の社会の転換を実体験として知っている広原氏の言葉には妙な実感がこもっており、「万博とは時代の変わり目にするものだ」という宣託にも似た響きがずっと私の頭に残っています。我々も、時代に巻き込まれることはあっても、流されないで喰らいついた西山夘三の如くあるべしと激励されたように思いました。(張玉鈴)

撮影:神谷潔(スタジオ北山山荘)

撮影:神谷潔(スタジオ北山山荘)

適塾路地奥サロン実行委員会 張玉鈴

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