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244号(2024年3月号)きんきょう&イベントのお知らせ

アルパック・パーソナル・ヒストリー・アーカイブプロジェクト リレーセッション 第1回 創業者:三輪泰司


京都事務所移転を契機に「アルパック・パーソナル・ヒストリー・アーカイブプロジェクト」が始動しました。第1回のリレーセッションの模様をお届けします。

 京都事務所移転を契機に「アルパック・パーソナル・ヒストリー・アーカイブプロジェクト」が始動しました。第1回のリレーセッションの模様をお届けします。

 京都事務所移転を契機に、アルパックに所属していた・所属している人達が、それぞれの時勢の中で、何を考え、どのような哲学を持ち、いかに地域や仕事に対峙してきたのか、「ひと」の歴史を「講演」・「対話」形式でアーカイブ・継承していく、「アルパック・パーソナル・ヒストリー・アーカイブプロジェクト」がスタートしました。
 第1回目は創業者の三輪泰司名誉会長にお越しいただき、まちづくりに対するパーソナルな想いや考え方を軸に過去の具体的な業務や社外での活動など幅広くお話しいただきました。
 多くのエピソードのなかでも、保育施設の設計を手掛けるようになった発端が印象に残りました。ある保育施設の棟が波打っているのを発見して、屋根裏に上って調べ、修繕のために市の交付金を提案、その後保育研究会で講演し、建替えの資金繰りのための制度設計まで提案して仕事を取っていったというエピソードです。起こっている事象としての課題にただ対応するのではなく、事象が起こる原因となる問題を含めて周辺の仕組みまで作る姿勢に、現在社内で一緒に働く諸先輩方に流れるアルパック・スピリッツを感じました。
 50年以上前のお話も多く、今とは様々な背景や、委託者との関係等異なる部分も多いなと思いましたが、具体的な課題を発見し、関係者の考えや背景を読み解いた上で、地域や町に対する想いをもって提案していくという姿勢は、「できない」ではなく「こうしたらできるのではないか」「こうしたらよりよくなるのではないか」を包括して提案するアルパックのスタンスの重要な部分と感じました。
 また、アルパック立上げ当初の「関西学研都市」の業務など、過去資料を読んでもスケールが大きく、概要しか把握できていなかったプロジェクトが、仕事に取り組んだ当時の生の声として経緯や背景を聴くことで、急に実感を伴って咀嚼出来たことが非常に良い経験となりました。


 学生時代から建築・都市計画を学んできてアルパックに入社した私としては、教科書に載っているような出来事や今につながる制度そのものを作ってきた人とお話しできたことで、歴史そのものと対峙したような気持ちになり、会社に所属するだけでなく、大きな地域計画・建築の歴史の中に自分も位置づけられているという感覚を得ました。
 この会社や歴史の積み上げの上で何を学び、今後自分が地域・社会に対して何を残していけるかということを考えていくべきと思えた大切な時間となったと感じています。

実行委員 髙瀬咲

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