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241号(2023年9月号)まちかど

宇治川堤防道を歩くコミュニティのフット・パス


イギリスのフット・パス(Foot-Path)」はご存知と思います。こちらは「官有地」ですが、ミズとミドリの自由な散歩道です。

 イギリスのフット・パス(Foot-Path)」はご存知と思います。こちらは「官有地」ですが、ミズとミドリの自由な散歩道です。

空間的要件 人工物が見えない
 左岸は常緑樹が密生して人工的な堤防は見えない。手前、右岸河原は低木に覆われて土が見えない。その間に宇治川が、ゆっくりと流れているのです。右岸堤防天端は、幅2メートル、縁石付きアスファルト舗装、長さは丁度1000メートル。

舗装された 歩きだした
 堤防道を人びとが歩くようになったのは、14年前からです。それまでは砂利道で、歩く人は少なかったです。様子が変ったのは、2009年(平成21年)の8月に、舗装工事が完了してからです。


 いまでは、桃山南学区(京都市伏見区)のフットパスとして、すっかり定着しました。
 14年前、何があったのでしょう?
 ニュースレター149号(2008年4月)に「堤防がすっきりしました」と報告していました。ここでの「堤防」は〝山科川〟の堤防です。堤防は本来、自由な空間ですが、自転車を置いたりして占有してはいけません。およそ600台にもなっていました。2007年(平成19年)7月、国交省淀川河川事務所は「山科川・丹後橋周辺改善懇談会」を設けました。懇談会は実態調査し、12月に対策戦略を答申しました。河川事務所は、〝公権力行使し〟、段階を踏んで、撤去しました。写真下は「レッド」通告看板の様子です。かくて2008年(平成20年)4月「すっきり」しました。翌年度、淀川工事事務所伏見出張所(奥野淳一所長)は、宇治川堤防舗装の予算を計上しました。

見えるモノ、見えないココロ
 目につく放置自転車は目のカタキにされますが、モトは人間です。〝横着〟は目立ちます。見えないココロに思いを致しましょう。お年寄が、ひっかかって怪我しないようにと、営々として整理の奉仕をされている交通安全推進委員会の皆さんに。政策立案する議員・役所のみなさん、まちのリーダー、そしてわれわれ、プロは危険を察知する感受性を大切にしましょう。
 因みに、149号の「報告」は、まちづくりの教科書のようです。〝目的と手順〟を簡潔に記しています。

名誉会長 三輪泰司

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