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241号(2023年9月号)今、こんな仕事をしています

南知多町で景観計画策定のお手伝いをしています


南知多町は知多半島南部に位置し、半島の先端と沖合に浮かぶ篠島・日間賀島などの島々からなっています。

 南知多町は知多半島南部に位置し、半島の先端と沖合に浮かぶ篠島・日間賀島などの島々からなっています。
 国定公園にも指定された美しい自然環境とおいしい魚、海水浴場など観光資源が豊富で、どこか懐かしい旅館・民宿が立ち並ぶ風景も見られます。


気に入りの風景について語り合う

気に入りの風景について語り合う

 景観計画の策定にあたり、住民ワークショップを開催しました。ワークショップでは事務局で撮影した写真のほかに参加者からお気に入りの景観の写真を募り(たくさん集まりました!)、どの景観が良いと思ったか、その理由を尋ねました。半島と島々からなる南知多町ではやはり、海の風景が人気でした。参加者の中には、昼間の海と夕焼けの海を同じ位置から撮影した写真を送ってくれた方もいました。海も時間帯によって印象が変わることを写真で説明していただきました。
 島の中学生は、提灯を飾った漁船で仕立てた「やかた船」に乗るぎおん祭りの写真をお気に入りの景観として挙げていました。提灯の灯りが夜の海に反射し、その煌めきが幻想的とのことでした。
 また、島の男性が中学生に、「(半島の中学校で)彼女ができたらどこに連れていき、どんな景色を見せたいか」と尋ねていたのも印象的でした。それに対し、ある中学生は、「恋人ブランコ」というブランコに乗りながら海を楽しめるインスタ映えスポットを挙げていました。南知多町にはこのような、海の風景を楽しむカフェやデッキなどがあることも特徴です。美しい風景を楽しむ場所を創造する取り組みが自然と生まれつつあります。

手作りの視点場(恋人ブランコ)

手作りの視点場(恋人ブランコ)

カラフルな外壁が多い篠島

カラフルな外壁が多い篠島

 景観とはただ眺めるものではなくて、眺めることで何かを感じたり、影響を受けるものです。景観によって、人の感性みたいなものが磨かれていくのだと思います。なので、景観づくりは美しい空間・まちなみをつくるだけでなく、感性豊かなひとづくりの取り組みでもあります。
 南知多町の景観計画の策定にあたっては、美しい自然風景によって育まれた町民の感性を大切にしつつ、南知多町らしい「眺望」を生み出せるよう取り組みたいです。

南知多らしい海を望む風景

南知多らしい海を望む風景

南知多らしい海を望む風景

南知多らしい海を望む風景

ソーシャル・イノベーティブデザイングループ  筈谷友紀子

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