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241号(2023年9月号)今、こんな仕事をしています

板橋区赤塚の「崖線」景観について楽しく学ぶイベントを開催しました


現在、板橋区赤塚地区の景観まちづくりの将来像となる景観まちづくりプラン策定の支援をしています。今年度は主に基礎調査、まち歩きやワークショップ、意見交換など、地域住民に向けた勉強会を計画しています。

 現在、板橋区赤塚地区の景観まちづくりの将来像となる景観まちづくりプラン策定の支援をしています。今年度は主に基礎調査、まち歩きやワークショップ、意見交換など、地域住民に向けた勉強会を計画しています。

坂道の景観です。緑のサウンドスケープも特徴となっています。

坂道の景観です。緑のサウンドスケープも特徴となっています。

 赤塚地区は板橋崖線を有し、崖線とその周辺地域では、起伏に富んだ地形や樹林地などの自然環境が特徴的な景観を形成しています。崖線とは、河川や海の浸食作用でできた崖地の連なりのことです。約1万年前~5千年前、武蔵野台地は海に面しており、台地との境界が海の波に削られ、崖線が形成されました。赤塚地区では、公園や神社仏閣といった文化資源やみどり、地形のダイナミズムが感じられる坂道が調和した景観が特徴となっています。
 地域住民に向けた勉強会として、親子連れを対象とした「ワクワクあかつかPROJECT」、景観まちづくりプランの骨子案作成を目標とした「フムフムあかつかPROJECT」を計画しています。先日、8月6日(日)に、今後の勉強会の周知も兼ねて、赤塚地区内に住む親子連れをターゲットとしたプレイベントを赤塚植物園で実施しました。当日は、巨大な地形模型の展示、古写真展覧会、景品付きのクイズを行い、親子連れからお年寄りまで約60組の方々にお越しいただきました。そして、板橋区の観光キャラクター、ニリンソウの妖精、りんりんちゃんもイベントに駆けつけてくれました!中にはりんりんちゃんに会うために来てくれた子もいたようで、生のりんりんちゃんに、子どもたちも大喜びの様子でした。

赤塚地区の巨大地形模型

赤塚地区の巨大地形模型

赤塚地区の巨大地形模型

赤塚地区の巨大地形模型

生のりんりんちゃんに戸惑いを隠せない様子…?

生のりんりんちゃんに戸惑いを隠せない様子…?

 クイズは赤塚氷川神社の歴史、崖線の成り立ちなどについて出題し、パネルや模型を参考にしながら皆さん熱心に考えてくれました。クイズの景品には板橋区のJAから提供いただいた新鮮な夏野菜、駄菓子を配布しました。赤塚地区の高低差を現した巨大地形模型も大好評で、自分の住んでいる家や通っている学校を探したりなど、皆さん興味津々の様子でした。
 次回は、第一回「フムフムあかつかPROJECT」として、地形とみどりをテーマにしたまち歩き、意見交換のイベントを計画しています。
 観光地というよりは住宅地のイメージが強い板橋ですが、赤塚にある東京大仏の周辺には外国人観光客の姿も見られます。今回、古写真の収集に当たり、タモリ倶楽部で特集されたこともある国分寺崖線と比較して、板橋崖線(特に赤塚地区)の情報やデータの積み重ねがあまり無いことを感じました。今回の取り組みで、地域主体の景観まちづくりが広まり、観光や研究といった面からも、崖線地区としての魅力が注目されるきっかけになれば良いなと思います。

巨大模型は起伏も表現されています

巨大模型は起伏も表現されています

ソーシャル・イノベーティブデザイングループ  宮英理子

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