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238号(2023年3月号)特集「ぽかぽか」

ぽかぽかのカタチ


「ぽかぽか」と聞いて連想したのは、春の少しうわついた空気を傍目に見ながらも、おひさまの温かい日差しを一人で伸びをしながら堪能しているシーンだったのですが、初めて迎える関西での春の訪れは南の地域で過ごして身に着いた感覚よりも遅い気がして、そんな空気が待ち遠しくなりました。

 「ぽかぽか」と聞いて連想したのは、春の少しうわついた空気を傍目に見ながらも、おひさまの温かい日差しを一人で伸びをしながら堪能しているシーンだったのですが、初めて迎える関西での春の訪れは南の地域で過ごして身に着いた感覚よりも遅い気がして、そんな空気が待ち遠しくなりました。
 待ち遠しくなったのは良かったのですが、まだぽかぽかできてないのに何を書こうかなとぼやいていたら、たき火に誘ってもらいました。急にたき火に行けることが決まり、くすぶっていた自然遊び大好き精神が解き放たれ、たき火に行けるまでの期間は私自身がソワソワし、春の少しうわついた空気を放っていた気がします。
 待ちに待った「たき火の日」、会場に到着すると懐かしの草木が燃え上がる匂いがしてきて、気持ちが急にぽかぽかを通り越し、アツアツの状態になった瞬間、「冬場の祖父からはよくこの匂いがしたな・・・」と家でよくたき火をしていた久しく会っていない祖父を思い出し、気持ちが急降下して感傷に浸るという急な暗転に、なぜか私自身が戸惑いました。
 そんなことはさておき、自然遊び大好きなのに、何もできない私は着火も手伝わず、火の面倒も見ず、成功しない焼きマシュマロづくりにひたすら打ち込み、たき火での牛乳パックの偉大さに感動し、小枝拾い中のダジャレ大会に翻弄されながらも、ひとしきり楽しんだ後に、揺れる火をながめては、心が深呼吸をしているリズムを、ただただ感じていました。
 たき火中、ぽかぽかできていたのかは謎ですが(火から離れたら寒く、近づけば熱く、良い距離感をつかみきれなかったような・・)、ぽかぽかのネタ探しのためにたき火に行けたことが、まずぽかぽか。ぽかぽかのネタのために、焼き芋を割った時に湯気がでていたら「ぽかぽかしてるよ!」と写真を撮ってもらえたりしたことが「ぽかぽか」でした。

たき火で焼きマシュマロをつくる様子

たき火と焼きマシュマロ

生活デザイングループ 内野絢香

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