レターズアルパック
Letters arpak「景観」という公共財で地域をつなぐ
草津市からの眺望をふまえた大津市景観計画の改定のお手伝いをしています。景観法(2004年)が施行されてから20年近くが経過し、全国の自治体で景観計画の改定の動きが見られています。今年度私どもで、大津市の景観計画の改定のお手伝いをすることになりました。
草津市からの眺望をふまえた大津市景観計画の改定のお手伝いをしています。
景観法(2004年)が施行されてから20年近くが経過し、全国の自治体で景観計画の改定の動きが見られています。今年度私どもで、大津市の景観計画の改定のお手伝いをすることになりました。
大津市は陸運、海運の要衝として発展してきました。大津市は、石山寺・三井寺をはじめとする寺社仏閣や、集落や旧街道沿いの伝統的なまち並みなど歴史的要素が多数残っているほか、比叡山の山なみなどの自然景観、田園風景、ニュータウンのまち並みなど多様な景観を有しています。そのため、現行の景観計画では、細かく区域を定めながら丁寧に規制・誘導を図ってきました。
近年転入者が増加しニュータウン開発や高層マンションが進む中で、社会変化に伴う区域の見直しを行うとともに、地域住民を巻き込んだ「景観まちづくり」につなげていくことが、今回の改定の大きなテーマになります。
もう一つ目の大きなテーマが、琵琶湖への眺望景観です。大津市は、文化的にも歴史的にも琵琶湖と非常に強いつながりがあり、琵琶湖への眺望をいかに守り、伸ばしていくかが重要な課題です。今回の改定では、新たに琵琶湖を挟んだ対岸の草津市からの景観を検討することになりました。草津市からの眺望をどのように守るのか、草津市と話し合いながら進めています。他の市町村からの景観を検討するのは、あまり例のないことです。
「景観を守る」、「景観を作る」というのは実感が湧きにくいことですが、「景観」という公共財はほかの市町村と連携を図っていく上でのキーワードになると思います。
ソーシャル・イノベーティブ・デザイングループ 藤田始史
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