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237号(2023年1月)今、こんな仕事をしています

まちを使いこなす~まずは公園から始めてみませんか


奈良市のこれからの公園のあり方とその実現に向けた方針をまとめた「奈良市公園マネジメント基本計画」の策定を支援しました。

 奈良市のこれからの公園のあり方とその実現に向けた方針をまとめた「奈良市公園マネジメント基本計画」の策定を支援しました。
 都市公園は都市環境改善や自然環境保全、都市防災等で重要な役割を担っており、近年は多様な地域ニーズへの対応が求められるなど、公園を取り巻く環境は時代とともに変化を続けています。
 奈良市では500を超える都市公園等を抱え、年間の維持管理費は総額5億円を上回ります。公園の利用実態調査では、様々な公園利用のニーズがあるものの都市公園等の利用方法が画一的に制限されていることや半年間でほとんど利用のない公園があることなどが分かってきました。
 「では、あまり使われていない公園はペットの散歩OKにして、ボール遊びもできるようにしよう」という解決策は乱暴です。現在の利用ルールは過去の様々な経緯や事情から形作られています。公園に対するニーズや、顕在化している問題の複合的な背景を解きほぐしながら課題を整理し、奈良市として目指す将来像を「日常に公園のある暮らし」とまとめました。
 その将来像を達成するために重視する視点として「まずは関係者間で対話する」「気軽にトライしてみる」「地域の魅力を生かす」「ルールとマナーのバランスを取る」「更新し続ける」を掲げ、都市公園等を「変える」メニューとして7つの手法を提示しています。
 1年と3か月にわたる策定プロセスの中で、事あるごとに議論になったのが「奈良らしさとは何か」でした。今回の計画でどれだけ表現できたかは分かりません。ただ、移り変わっていく「らしさ」があるとすれば、これからの公園を巡るシーンが奈良らしさを形成していくのでしょう。個人的には、奈良で暮らす思い出の中に公園のシーンが出てくる人が増えていくといいなと思っています。

公園のマネジメントを通じて目指す将来像

公園のマネジメントを通じて目指す将来像

地域再生デザイングループ  小川直史

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