レターズアルパック

Letters arpak
237号(2023年1月)特集「チル」

特集「チル」


新年あけましておめでとうございます。2023年初めのレターズアルパックはチルをお届けします。チルというのは英語のcill out(チルアウト)を略したもので、「チルする」という表現はくつろぐとかリラックスするという意味で使われます。チルすることは自分を解放すること。日々の雑事に追われて凝り固まってしまった自分を、一旦解放してリセットしてみる。年頭にあたってそんなことも考えてみてはいかがでしょうか。

特集「チル」/レターズアルパック編集委員会
 新年あけましておめでとうございます。2023年初めのレターズアルパックはチルをお届けします。
 チルというのは英語のcill out(チルアウト)を略したもので、「チルする」という表現はくつろぐとかリラックスするという意味で使われます。チルすることは自分を解放すること。日々の雑事に追われて凝り固まってしまった自分を、一旦解放してリセットしてみる。年頭にあたってそんなことも考えてみてはいかがでしょうか。
 昨年は物騒なこともいろいろ起きた一年でしたが、今年はまったりとチルできる一年であることを願っています。

海と空と/地域再生デザイングループ 浅田麻記子
 2019年の夏、初めてハワイを訪れた私は、多くの時間をただただぼーっと海と空を見ることに使いました。
 普段、仕事にプライベートに追われる毎日なので、日本にいるとなかなかそんな時間は取れません。
 何もせず、海と空の青さを、風の気持ちよさを感じる。知り合いもいない、言葉もよくわからない、そこにあるのは海と空だけ、そんな空間がわたしをチルさせてくれたのだと思います。
 私の2023年はまたあのいろんな青がある海の前、どこまでも広がる青い空の下から始まる予定です。2022年のしんどかったことを全て捨てて、新しい1年を迎えたいと思います。

ピクニック/地域産業イノベーショングループ 有田建哉
 昔ハマっていた僕のチルり方を紹介します。それはピクニックです。良く晴れた休日の午前11時くらいに適当な公園へ行き、シートを敷いて大の字で寝転びます。意識することは頭の中を空っぽにすることです。過去の出来事も、明日の計画何も、何も考えません。やっていただければ理解いただけるかと思いますが、頭を空っぽにすることは結構難しいです。何も考えないことを意識する程に、邪魔者(雑念)が頭をぐちゃぐちゃにしてきます。これらを一つひとつ頭の中にイメージしたゴミの流れるベルトコンベアに投げ捨てます。目の前に広がる快晴の空の様に頭がクリアになったら、めでたくチル完了です。
 是非、皆さまも試してみてください。結構チルります。但し、蟻には注意です。

初夏とチル/公共マネジメントグループ 石川俊博
 新年号にも関わらず季節感がズレた話で恐縮なのですが、私の生活の中で最もチルな瞬間は、初夏のブルーアワーにやって来ます。
 自室のベランダがそこそこの広さであることに加え、部屋が西向きだったため、日没後もベランダには藍色の空の明るさと日中の暑さが残ります。デッキチェアと小さなテーブルを出して、ビールと読みかけの本を何冊か置き、うつらうつらと過ごして、目が覚めると周囲はすっかり暗くなっている。
 年に数回もない機会であったりしますが、この瞬間が来るから、年明け・年度末、もう少し頑張ろうかという気になれたります。

偶然どこかで/都市・地域プランニンググループ 植田啓太
 旅の進め方には個性があるように思います。私は慌ただしく色々な場所を巡る旅が多くて、つい旅行中も忙しくしてしまうという悪い癖があるようです。
 そんな旅の中でも、何かを眺めながら、つい時間を忘れてどこかに座っているときがあります。どこかでこれからゆっくりしよう、といった風に始まるのではなく、偶然どこかに落ち着いてしまうように思います。最近では、東京を訪れた際、増上寺の門前、芝公園の椅子に座りながら、日比谷通りに沿って並ぶ木立や、行き交う人と車の流れを眺めていたときがそうでした。私にとっての「チル」とは、意図しえぬ時間なのかもしれません。

わたしのチル履歴/生活デザイングループ 内野絢香
 最近の「チル」出来事で印象的だったのは、秋晴れの中、鴨川デルタで楽しそうに水遊びをする親子や幸せそうに友人たちとの時間を楽しむ人たちを時々眺めながら、本を読み、いつしか寝てしまった時のことでした(起きたときに感じた周囲の冷ややかな視線が印象に残っていたのですが)。
 思い返すと、私のチル履歴は水辺が高頻度で、筑後川や白川沿いでのたそがれ時間、天草湾で何も釣れなかった時など。今のところ私は、水辺に行けば「チル」できる単純な人間みたいです。これからも、できるだけ周囲の目は気にせず、様々な場所でチルを楽しめるようになれるといいなと思います。

チ~チルチル/生活デザイングループ 岡崎まり
 チルという文字の響きが何かの鳴き声に見えてくるのは、休みの多くを子どもとの虫取りに費やしているからでしょうか。11月初旬までは、虫の声を頼りにツユムシやコオロギ等を捕まえていたので、夜になると家の中で毎日虫たちの演奏会が開催されていました。11月下旬から家の中が静かになり、本格的な冬の到来を感じています。
 チ~チルチルとメジロが鳴く春の季節が訪れたら子どもが小学校に入学するなど、私自身も生活が大きく変化する予定です。そのような変化の中でも今までどおり、子どもと自然の音に耳を澄ましてチルする時間を楽しんでいきたいと思います。

ことば/地域再生デザイングループ 小川直史
 「言葉は思考を限定しないが、思考の可能性を限定する」と昔の偉い人が言ったそうです。その言葉を引用しながら“中動態”なる態の解明に迫った本を年末にかけてようやく読破できました。苦節4年。書籍内で、当初言語は能動態と中動態が対立していたが、いつしか能動態と受動態の対立に置き換わり、「意志」や「責任」の所在が強調されるようになったと指摘します。自分が「やったのか」、「やらされたのか」。なるほど。
 日々の生活は能動・受動どちらにも分類しきれないことがたくさんあります。言語形態の問い直しまではできませんが、自分の中で腑に落ちる表現を面倒がらずに探りたいと思います。

〝チル〟ドラーメン/サスティナビリティマネジメントグループ 齋藤友宣
 ラーメン好きの私が、新型コロナ渦中に困ったのが、こよなく愛すラーメン屋に行けなくなったことです。
 そんな折、スーパーで目に留まったのが、チルドラーメン。昔はさほどおいしいとは思えず、ほとんど手に取ることがなかったのですが、ラーメン屋に行けない状況とたまたま自宅近くの店を再現したと銘打った商品が売り出されたこともあって久々に購入。食べてみると、まるでラーメン屋のラーメン。「もう店に行かなくてもいいや」と思えるようになったラーメンが私のチルです。
 と言いながらも、チャンスがあれば家族に内緒でラーメン屋に足を向けているのはここだけの秘密です。

チルのスイッチ/都市再生・マネジメントグループ 竹林和恵
 チルする、ゆったりまったりするなら、冬にはやっぱり、ほんのり温めたのをちびちびとやりたいものです。キーンと冷やしてグイッと喉越しを味わうのも素敵なのですが。
…と言ってもお酒ではありません。豆乳です。アルコールや炭酸が苦手な私にとって、喉越しを求める時は豆乳。そして、寒い日にぬくぬくしながらまったりと頂きたくなるもの、それも豆乳です。
 流れで何となくひと休みするのもいいのですが、最近は、「まったり過ごそう!」とスイッチを入れて、積極的な「まったり時間」をつくるようになりました。おうち時間が増え、メリハリが付きにくい暮らしも経験したことで手に入れた、私の新しいスイッチです。

寒い朝の日/地域再生デザイングループ 辻寛太
 チルとは、他の人がしないような「こと」、「時間」、「場所」ですることで、自分だけの特別感を得られることがチルが持つチルさを表しているような気がします。私のチルは、私が住む小さな雑居ビルの屋上から見る風景です。なんともない風景でも、ビルに住む人や働く人しか見られないと思うと特別感があります。
 屋上やベランダは安全面や掃除の面から敬遠されがちですが、それでもそこに立つと心にゆとりが生まれ、今日も頑張ろうと思えます。なくても成立するけど、あると良い空間を建築や都市に提案していきたいと屋上から見える朝日を眺めながら思うこの頃でした。


チル(低山)登山/企画政策推進室 中村孝子
 数年前の夏に一之宮の御朱印をもらうため鳥海山(標高2,236 m)に登りました。山小屋から観た下界の花火大会やAR技術を活用したスマホのアプリで人工衛星を発見したりで、大学時代にはまっていた登山熱が再燃しました。登山はしんどいけれど、そこでしか得られない感動があります。そして、愛読しているSHIMADAS(日本の島ガイド)を眺めて島山登山も開始した矢先にコロナ渦。
 最近では、家族を巻き込んで(低山)登山を攻めています。市内の稲荷山、吉田山、岩田山などで、低い山でもそこから見下ろす京都は、美しくまったりとした時間が過ごせます。下山後のご褒美は、喫茶店のコーヒや美味しいごはんを食べておしまいです。

谷の奥のハズタニ/ソーシャル・イノベーティブデザイングループ 筈谷友紀子
 チルということでこの紙面を観葉植物、淡い光が差し込む木目を基調とした整った自室、オートミールとヨーグルトで埋め尽くすことも容易かったのですが、それには日頃の積み重ねと体力が必要です。
 ある週末、樋口忠彦の『日本の景観』を読み、初瀬という谷の奥地の街並みに行ってみようと思い立ちました。筈谷という名が谷の奥地での休息を本能的に求めたのかも知れません。
 初瀬の街並みは懐かしい故郷のようでした。山々に囲まれ、上流から下流に軸を持って流れる川、斜面に並ぶ家屋、ゆっくりとした時間の流れが心を落ち着かせます。こんな空間体験こそが真のチルではないでしょうか。

「のりだんだん」をまったりと/サスティナビリティマネジメントグループ 畑中直樹
 先日「マツコの知らない世界」で、北海道松前町の「のりだんだん弁当」が全国の道の駅の中でも特に珍しい食として紹介されました。一見すると単にご飯に海苔が乗っただけに見えるのですが、実はこの海苔が、厳冬の1~3月に磯で集めた岩海苔から作ったもので、1枚700円!の超希少なもの(今期分は即売切)で、これがご飯と2層になっています。いつもお世話になっている旅館の女将さんらが最近考案されたらしく、放送直後にはあらためて堪能してきました。
 風力発電がフル稼働する冬が明けたら、北海道唯一の和式城の元国宝松前城での桜祭で春を迎えます。みなさん松前でチルってみませんか。


暮らしているような観光/都市再生・マネジメントグループ 馬場正哲
 出雲の斐伊川が、宍道湖に流れ松江から中海へと広がる旧平田市は、昔物資の集散地として栄えた。その往時の「木綿街道」の名をとどめ息づく町が残っています。
 そんな町の、酒を嗜み美肌を醸す「酒持田本店」の登録有形文化財の蔵一棟貸しの宿「RITA 出雲平田 酒持田蔵」で晩秋の出雲路を楽しみました。
 街を歩くと、「左桟瓦」や「なまこ壁」、「格子窓」の連なる町屋、船着き場への「かけだし」、物資搬出入の「小路」もそのまま。老舗の酒屋、醬油屋、和菓子屋、イタリアンな匂いも。伝統に包まれた生活のある懐かしく豊かな“暮らしているような観光”を楽しむ夕暮れでした。

2355/建築プランニング・デザイングループ 原田稔
 みなさん こんばんは ごきげんいかが 2355の時間です♪~ 今日の終わりに ちょっとひといき 勉強中の人も ひと休み♪~ 
 23時55分、テレビから流れる細野さんのゆるい歌声を聞きながら、今日も缶ビール片手にチルってます。今夜はお気に入りのヨルガヤ姉妹の今夜も眠れません。
 そして、金曜日の夜は特別です。
 あしたは土ようび あしたは土ようび♪~ 天気はどうかな? なにしよう? 夜ふかししていい 金ようび♪~ (深酒していい金曜日)。

自然のなかでチルする/都市・地域プランニンググループ 松下藍子
 最近登山を始めました。登っている時はチルとはかけ離れたしんどさですが、自然の中で一日過ごした後は、程よい疲労がありつつ気持ちがリフレッシュされます。
 山により自然環境は異なり、同じ山でも季節で表情が変わります。当たり前のことですが、自然の変化に気づける時間がとても貴重なのです。
 事前にルートや時間の計画を立て、必要な服や装備を準備します。様々なこだわれるポイントがあるのも魅力です。もっと突き詰めると、計画性も体力も対応力も養える、とても有益な行動なのではと思いつつ、今は手軽に登れる山で、山頂でおいしいご飯を食べてチルするのが一番の楽しみになっています。

久々にチルアウト/建築プランニング・デザイングループ 三浦健史
 チルという言葉を最初に聞いたのは四半世紀以上前の学生時代、日々音楽に埋もれていた頃でした。UKやUSインディが好きでしたが情報源の少ない時代、フジテレビ深夜のビートUKという番組かタワレコやヴァージンとかで視聴しまくる中で、チルアウトに出会ったのです。基本ロック畑の私ですが、他にもトリップホップとかダブとかいろいろ聞いたなぁ。今ではSpotifyである程度は聞けるので、懐かしくなっていくつか聞き直してみました。
 温故知新。今年も新しいもの・こと・人との出会いも大切にしつつ、昔からの良いものやことも掘り出してミクスチャーしていきたいです。

賀茂別雷神社でチル/ソーシャル・イノベーティブデザイングループ 水谷省三
 賀茂別雷神社の宮前菓子といえば、「葵家やきもち総本舗」の「焼き餅」が有名です。店内で「焼き餅」を買うと、その場で焼いてもらう事もできます。天気の良い昼下がりに、「葵家やきもち総本舗」の温かい焼き餅を持って、宮前広場の自然石のスツールに座り、くつろぎながら食べるのをお勧めします。また、賀茂別雷神社の社務所横には、神山(こうやま)湧水を使ったコーヒーを淹れてくれる「神山湧水珈琲 煎(せん)」という喫茶店があります。この店で「コーヒーと和菓子セット」を注文すると「焼き餅」を一緒に賞味することができます。お店のすぐ横の休み処には、檜木で造られた背もたれ付きのベンチがあります。参拝の後に立ち寄っていただき、コーヒーと焼き餅を食しながら、神社の歴史と自然を感じていただければと思います。


空と雲/総務部 柳井正義
 空を眺めるのが好きだ。ビルの谷間から見上げる青空も悪くないが、視界が開けたところで眺める積雲の発生と消滅や、日没後に積乱雲の雲頂のみが残照に赤く染まる一瞬も見逃せない。カンザス州に行ってスーパーセルと竜巻に出会うのも一度やってみたい。昔東京タワーの展望台で夕立に遭遇したときも周囲のビルに落ちまくる稲妻に時を忘れて見とれていた。雲は普通見上げるが、山の上では見下ろすこともある。夜明けごろ眼下に広がる雲海や、稜線の風上側と風下側で天気がまったく異なる景色など、水蒸気や気流をまさに体感できる。

みかんの食べ過ぎには気をつけて/地域産業イノベーショングループ 山口泰生
 今回の特集テーマ「チル」を聞いて、最初に頭に思い浮かんだのは「お正月」でした。毎年のお正月は、祖父母の家に帰省をしています。話は少し遡り、私が3歳頃の話をします。当時の記憶は全くないのですが、お正月になると、祖父母がみかんの箱買いしていたため、大量のみかんが家にありました。私はみかんが大好物だったらしく、毎日とんでもない量のみかんを食べていたようです。ある時、私の母親が私の体を見て驚きました。全身が真っ黄色になっていたようです。病院に行くと、「柑皮症」という病気でした。原因はもちろん、みかんの食べ過ぎです。しばらくは「みかん禁止令」が出たようです。今年もみかんの食べ過ぎには注意して、よい1年を過ごしたいと思います。

ガタンゴトン揺られて/総務部 若林秀和
 ゆったり時を過ごすことは思いつかないのですが、私の理想は鉄道旅ぐらいです。子どもの頃は急行列車に長時間揺られながら、サッカーの試合に向かうという二重の楽しみで、前日眠れないということもあったことを思い出します。私の地元の中国地方では、定期の急行列車は廃止され、現状は赤字ローカル線です。鉄道事業者は「将来の地域公共交通の姿について議論を開始したい」そうで、いずれは覚悟ということになりそうです。
 無くならないうちに乗っておかないと。新型コロナもいずれ落ち着くでしょうし、地域を問わず時間も忘れポリ茶瓶を片手にガタンゴトンとマッタリ長旅をしたいものです。


チル庭/建築プランニング・デザイングループ 和田裕介
 一昨年に引越しをしたところ、偶然、家のまわりにスペースができました。せっかくなので、レンガを積んで花壇をつくったり、園芸店で木を買ってきて植えてみたりと、なんとなく適当に庭づくりをしてみました。
 家族は住まいの外側に関心がないので、しょうがなく一人で週末毎に手入れを続けていると、土いじりによるリラクゼーション効果を享受し、いつの間にか心癒されるチル庭に…。
 しかしながら、根は欲張りな性格なことから、穏やかなチル庭だけではモノ足らないようで、寄植えをつくってみたり、ビカクシダを板付けにしてみたり、アガベにまで手を出してみたりと、全然チルくない園芸の沼に、ついつい足を踏み入れてしまいます。

散る/公共マネジメントグループ 渡邊美穂
 お題の「チル」を聞いて頭をよぎったのは「散る」でした。「散る」にあまり良いイメージはなかったのですが、今回のワールドカップの日本代表をみて、100%、120%を尽くすからこそ「散る」があるのだと思いました。自身は、社会人歴10年を過ぎ、「散る」ような思いの仕事の仕方から、持続できる仕事の仕方として、落としどころ、折り合いをつける術を身に付け、「散る」ことには勇み足に。来年は「散る」ような思いを持って(その上でできれば上手くいって)「ゆっくりとくつろぐ」「まったりと過ごす」意味での「チル」を満喫したいです。

レターズアルパック編集委員会 ほか

237号(2023年1月)の他記事

バックナンバーをみる

タグで検索

ページトップへ