レターズアルパック

Letters arpak
   
235号(2022年9月号)今、こんな仕事をしています

「まちらしさ」を発見する


みなさんは「相模大野」というまちにどのようなイメージを持っていますか?

 みなさんは「相模大野」というまちにどのようなイメージを持っていますか?
 東京近郊の中核都市、利便性の高いベッドタウンといったイメージでしょうか。私が最初に訪れて感じ取った印象は、清廉かつ人の温かみが残る現代のモデル的な都市、といったものです。
 近年、消費行動の変化などにより大都市以外での百貨店の撤退が続いています。相模大野もその例外でなく、商業的拠点であった百貨店が撤退することで都市構造の変化が余儀なくされています。しかし、変化はチャンスということで、相模大野ではこれを機に新たなまちづくりを進めていこうとしています(都市の変化を利用するのが都市計画のよいところですね)。その一環で、市と区の共同で「市民」らによるまちづくりの取り組み(=シビックアクション)支援が行われています。今回、私たちはその一部をお手伝いさせていただき、市民の皆さんが取り組みたいテーマやアクションを共に考えました。
 市民がまちづくりに積極的に関わるきっかけとして、何か大きな問題(空き家や開発などの住環境に関わる問題など)が起きて、それに対応するため一致団結し熱く立ち向かうといったケースが多いと思います。しかし、相模大野では今あるまちの魅力をアピールしていきたい、もっと知ってほしいというポジティブで朗らかな気持ちが強く、参加者の間で共通していたように思います。また、隣接する町田市を意識しながらも、どこかマイペースに自分たちのリズムで歩んでいくようなそんな印象を受けました。それもまた相模大野という「まちらしさ」の現れであると感じました。


 参加者の属性や性格はそれぞれ異なるけれども、どこか気質が似ている。参加者に共通するのは同じまちに住み、暮らしているということ。同じまちへの思いに共通するものがあるからこそ、どこか似るところがあるのでしょう。見方を変えると、どの街に住むかで、「私らしさ」というのも変わるのかもしれません。もちろん、どんな人が住むか(まちの思い方が多様になること)によって「まちらしさ」も変わるはずです。
 全3回のワークショップを終えて、相模大野というまちは、ぎらついた熱さはないけれど、独特なリズムと朗らかさが持ち前なのだと、まちの印象・感じ方が変わりました。そんな個性的なまちの「個性」を発見し、愛でていくことをライフワークにしていきたいと思います。

ソーシャル・イノベーティブデザイングループ 筈谷友紀子

235号(2022年9月号)の他記事

バックナンバーをみる

タグで検索

ページトップへ