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233号(2022年5月号)その他

適塾路地奥サロン報告


「食品ロスの削減から、生活の質や社会のあり方を変える」(講師 京都府立大学大学院教授 山川肇氏)・「社会を希望で満たす働きかた~ソーシャルデザインという仕事~」
(講師 ソーシャルデザイナー・社会福祉法人「素王会」理事長・「アトリエ インカーブ」クリエイティブディレクター 今中博之氏)

「食品ロスの削減から、生活の質や社会のあり方を変える」
講師 京都府立大学大学院教授 山川肇氏
(第43回 2022年2月22日)
 第43回では、山川肇氏をお招きし、「もったいない」の掛け声だけではなかなか減らすことができない食品ロスの実態と社会全体で「食品ロスをそもそも発生させない」ためにはどうしていけばよいのかという観点からお話いただきました。山川さんは「画一的で過度なリスク管理が食品ロスを生んでいる側面」があると述べられ、家庭を含めた社会全体での食品流通の最適化をどのように進めるか、山川さん自身が取り組まれた事例も織り交ぜながら、海外や国内で行われている様々な事例について紹介いただきました。
 社会全体で少しの手間を許容する、習慣を変更するといった取組で食品ロスが削減できる側面、取組をデジタル技術を活用するなどして支援する可能性、また家庭での食材管理を通じた生活の質の向上や、ビジネス面でも顧客や働く人々の満足度をあげる可能性など、幅広くお話頂くことができました。
(齋藤友宣)

「社会を希望で満たす働きかた~ソーシャルデザインという仕事~」
講師 ソーシャルデザイナー・社会福祉法人「素王会」理事長・「アトリエ インカーブ」クリエイティブディレクター 今中博之氏
(第44回 2022年3月18日)
 第44回の適塾路地奥サロンは、ソーシャルデザイナーの今中博之氏をお招きしました。講演は「社会的課題を解決するための意図的な企て」としての「ソーシャルデザイン」が持つ力を、ご自身がデザインを志すまでのエピソードや知的障がいを持つアーティストが所属するアトリエ イン カーブの紹介を交えながら教えていただきました。また、組織論やリーダー論についても語っていただきました。近年は、共感だけではなく共苦(=共に苦しむ)の必要性を認識するようになったとのことで、それは今中氏が考えるリーダー像に結びついています。ご自身の新著『なぜ「弱い」チームがうまくいくのか』とも絡めつつ、共苦の覚悟を持ったリーダーが、次代の社会イノベーションを実現していくという展望を語っていただきました。
 今中氏の「150人くらいの市民自立型社会が身の丈に合う」という考えは、アルパックの所員数にも通じる点があり、リーダー論・組織論について考えを深めることができ、大変勉強になりました。
(石川俊博)

適塾路地奥サロン実行委員会 齋藤友宣・石川俊博

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