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Letters arpak都市デザインと専門家の関わりを考えるセミナーを開催しました
2月6日に、JIA近畿支部の都市デザイン研究会によるセミナー「建築とまちの価値を高める都市デザインの手法-社会実装を目指して-」を開催しました。従来、専門家が関わる都市デザインの手法として、デザイン調整などを統括的に行う建築家が参画する「マスターアーキテクト」、デザインの基本的なルールを示す「デザインガイドライン」、各分野の専門家が多角的な視点からコメントする「デザインレビュー」などが試みられてきました。
2月6日に、JIA近畿支部の都市デザイン研究会によるセミナー「建築とまちの価値を高める都市デザインの手法-社会実装を目指して-」を開催しました。
従来、専門家が関わる都市デザインの手法として、デザイン調整などを統括的に行う建築家が参画する「マスターアーキテクト」、デザインの基本的なルールを示す「デザインガイドライン」、各分野の専門家が多角的な視点からコメントする「デザインレビュー」などが試みられてきました。これらは主に新市街地の整備などの機会に実践されてきましたが、これからは既成市街地の再生を主な対象としていくことが求められます。本セミナーは、建築とまちの価値を高めるため、専門家が関わる都市デザインの手法を広く社会に実装させていくことを目指し、これからの都市デザインと専門家たる建築家の関わりについて議論を深めるものです。
当日は、建築家でアーバンデザイナーの曽根幸一氏、建築家の南條洋雄氏、建築家で関西大学名誉教授の江川直樹氏、都市計画家で神戸芸術工科大学教授の小浦久子氏、都市計画家で東京都立大学教授の饗庭伸氏という多彩なメンバーにご登壇いただきました。幕張ベイタウンやベルコリーヌ南大沢、浜甲子園団地などでの実践を振り返りつつ、議論は多方面にわたりました。
中でも印象に残ったのは、専門家が目指す都市デザインが市場の嗜好によって変化してしまうという話題でした。沿道型の街区を目指していた幕張ベイタウンも、後期にはデベロッパーの「売れる住宅」づくりのため通常のバルコニーの集合住宅が供給されたとのことでした。「売れる」あるいは「稼げる」都市デザインが求められる一方、市民も「見る目」を養っていく必要があり、そこにも専門家の役割があるのではないかと思いました。
※都市デザイン研究会は筆者が代表を務めています。
都市・地域プランニンググループ 坂井信行
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