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232号(2022年3月)特集「種を蒔く」

アルパック30年生の卒業-「地域に種を蒔く」から「若者に種を蒔く」へ-


この2022年3月末で卒業させていただくことになりました。長い間、本当にお世話になりました。この場を借りてお礼を申し上げます。かつて「アルパックは学校だ」と言う先輩がいました。私が30年前にアルパックに入社して思ったのは、給料をもらいながら地域の調査・研究ができるなんて、なんと魅力的なんだ。

 この2022年3月末で卒業させていただくことになりました。長い間、本当にお世話になりました。この場を借りてお礼を申し上げます。
 かつて「アルパックは学校だ」と言う先輩がいました。私が30年前にアルパックに入社して思ったのは、給料をもらいながら地域の調査・研究ができるなんて、なんと魅力的なんだ。それまで大学の研究室で似たようなことを授業料を払ってやってきたので、びっくりしたものです。
 少し振り返ると、入社当時の1990年代はバブル崩壊後でまた、阪神・淡路大震災もあり、身近な地域資源の価値が見直され始め、おもに大都市圏のため池や水路、棚田など農空間を対象に、市民等の参画で魅力的に再生・活用する仕事に多く関わりました。2000年代になると、人口減少社会の先端を行く地方部において、農村振興や多自然居住、集落再生、田園空間博物館などのキーワードで、地域に何度も通いワークショップやイベント等を行うことが多くなりました。2010年代は、観光立国や地方創生の本格化などを背景に、6次産業化、食や農による地域のブランド化、観光戦略や道の駅、卸売市場の再生などに携わり、都市と地方をつなぎ、多様な関係者が関わる仕事が多くなってきました。
 30年間で共通するテーマは、「農や食、観光で地域活性化」でしょうか。微力ながら情熱を注いできたつもりですが、業務を通じて地域で学ばせていただき、それを他の地域に伝えつつ(地域に種を蒔く)、地域の方々と一緒に「種」を育てていこうとしてきました。
 「いい仕事」のためには「いい出会い」があることが必須で、クライアントや地域の方々、連携先や社員など本当にいい出会いに恵まれました。いい出会いのもとに、いい仕事をすること自体が「学校」であり、1つ1つの業務(プロジェクト)が学びの場だと思います。
 めざすのは、自分自身やアルパックのメンバーだけの学校ではなく、地域の方々やクライアントなどプロジェクトに参画するみんなが「成長し合えるオープンな学校」かなと思っています。
 アルパック卒業後は、アカデミアの世界に参ります。まさに「学校」です。これまでの経験等も活かし、「若者に種を蒔く」ことに力を注ぎたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。また、アルパックのこともよろしくお願いいたします。

地域産業イノベーショングループ 原田弘之

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