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Letters arpak「人」の姿で街なかを元気に!~佐賀市街なかバルの取り組み~
秋も一段と深まり、寒さがしだいに募るようになってきた頃、まちには人の姿が戻っていました。
秋も一段と深まり、寒さがしだいに募るようになってきた頃、まちには人の姿が戻っていました。
そのようなまち様子を見ると、ひんやりとした風の寒さも、少し和らげてくれるように感じます。そんな中、街なかの賑わいづくりの一環として佐賀市で取り組んでいる「佐賀市街なかバル」に参加しました。
まちなかバルは、2004年に函館市で行われた「函館西部地区バル街」を参考に全国各地で取り組まれている、まちの活性化を目指した「食べ歩き」「飲み歩き」のまち歩きイベントです。佐賀市でも、街なかの回遊性向上による賑わい創出を目指し、2009年に第1回を開催してから2021年までに計14回開催しています。
バル参加者は、まず、パスポートを購入し、ガイドマップを見ながら気になるお店を選びます。行き先を決めたら、目的のお店までまち歩きを楽しみながら向かいます。そして、お店についたらパスポートを見せ、バルメニューを注文します。バルメニューはバルイベントのために作られた特別なメニューで、色々なお店をハシゴするほどお得に楽しめるのが特徴です。これにより、初めてのお店でも気軽に足を運ぶことができ、そこでのこだわりメニューを味わい、お店の雰囲気や人との会話を楽しむことで、新たなお気に入りを見つけることができるのがバルの醍醐味です。また、バルをきっかけにまち歩きをする中で、思いがけない出会いもありました。例えば、街なかに突如現れる、等身大の偉人モニュメントたち。これは、明治維新150年を記念して行われた博覧会で使用したもので、佐賀県にゆかりのある偉人総勢25名を佐賀市の街なかの各所に設置し、通りを楽しんで歩いてもらうことや、佐賀県内にある偉人ゆかりの地にも足を運んでもらいたいとの思いで行っているそうです。交差点の一角にあるまちかど広場には、様々な分野で業績を残した偉人たちが集まっている所もあり、異世界に入り込んだような、ユニークな情景を作っています。
その他にも、佐賀で行われている東アジア最大級のバルーンフェスタの関連イベントや、夜には街なかのライトアップなど、まちを楽しむしかけが充実しており、たくさんの人に街なかを楽しんでもらいという地元の方の気持ちが伝わりました。
私も今回の参加で佐賀にお気に入りのお店ができました。遠方なのでなかなか行くことは難しいのですが、近くに行く機会があれば、是非立ち寄りたいと思っています。
まちなかバルは、住んでいる人・遠方から来る人の双方が、まちの新たな側面を開拓できる取り組みです。もし身近なまちでバルがあれば、新たな出会いを探す旅に出掛けてみてはいかがでしょうか。
建築プランニング・デザイングループ 新開夏織
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