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Letters arpak適塾路地奥サロン報告
第40回適塾路地奥サロンでは、泉山塁威先生を講師にお招きし、プレイスメイキングについてお話いただきました。緊急事態宣言が明け、巷では社会実験が立て続けに行われています。関西では昨年11月に京都の三条通りや御堂筋で行われました。
「楽しい公共空間をつくる~プレイスメイキングから考えるまちづくり~ 」
講師:日本大学理工学部建築学科 助教
一般社団法人ソトノバ 共同代表理事 泉山塁威氏
(第40回 2021年11月24日)
第40回適塾路地奥サロンでは、泉山塁威先生を講師にお招きし、プレイスメイキングについてお話いただきました。緊急事態宣言が明け、巷では社会実験が立て続けに行われています。関西では昨年11月に京都の三条通りや御堂筋で行われました。
今回、泉山先生に講演いただく前に、当社の中塚ともに、なんば駅前広場と御堂筋の見学を行っています。この日、なんば駅前広場や沿道のカフェにはテラス席が設けられ、まるでヨーロッパの街角の雰囲気であったわけですが、その裏にはたくさんの協議や手続きがあったことなども含め、ご案内しました。
泉山先生は「プレイス」をつくるには滞在快適性を高めることが重要であると指摘します。また、プレイスメイキングは単なる“賑わい至上主義”であってはならず、イベントよりも日常をつくることが必要であるとお話しいただきました。講演後半では、プレイスメイキングで重要なフェーズとなる「場所の特徴と課題を読み解く」ために開発された「プレイス・ゲーム」について話題提供をいただきました。「プレイス・ゲーム」は住民主体で「場所」の評価を試みるツールで、評価指標が定量的に示されている点が特徴的です。これにより、あらゆる主体の評価やニーズをバイアスなく拾うことができると泉山先生は指摘します。
昨今の都市再生の潮流として、道路や公園といった公共空間の利活用が挙げられますが「楽しい公共空間」や「居心地が良くなる歩きたくなるまちなか」は一体“だれ”が想定されていて、はたまた“だれ”がこぼれているのかと考えます。どうしても人の流れや経済活動といった「賑わい」で評価されがちな「公共空間の活用」ですが、そうではない「日常」への貢献をもとに評価指標がつくれるとプレイスの様相も(その場を楽しむ人たちの様相も)多種多様になっていくのではないかと思いました。(筈谷友紀子)
適塾路地奥サロン実行委員会 筈谷友紀子
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