レターズアルパック

Letters arpak
231号(2022年1月発行)特集「ゆめ」

特集「ゆめ」


新しい年がはじまりました。新年号のテーマはこの時期定番の「ゆめ」。「ゆめ」には二つの意味があって、一つは睡眠中に見る夢、もう一つは将来の夢。正月二日の夜に見るのが初夢、年頭にあたって語るのが将来の夢です。

 新しい年がはじまりました。新年号のテーマはこの時期定番の「ゆめ」。「ゆめ」には二つの意味があって、一つは睡眠中に見る夢、もう一つは将来の夢。正月二日の夜に見るのが初夢、年頭にあたって語るのが将来の夢です。
 所員のみなさんに「ゆめ」というテーマで投稿を依頼したところ、多くの人が(過去に抱いていた)将来の夢についての内容でした。睡眠中の夢を見る人は少ないのか、今、夢を抱いている人は少ないのか。はたまた公式のレターで夢を語ることが憚られるのか。どう読むかは読者のみなさまにゆだねます。
本年もレターズアルパックをよろしくお願いします。

ゆめ/地域産業イノベーショングループ 有田建哉
 幼少期の夢は「金持ちになること」でした。好きな人と好きな事を好きなだけする、夢の世界を手に入れたいとの思いからです。ネットビジネスに熱中し、株式投資に没頭し、お金を稼ぐことに無我夢中でした。心変わりの転機は、貧困国家でありながら幸福の国と呼ばれるフィジーへの留学です。フィジー人から「人との繋がりを大切に、お互い様の精神で、今を全力で楽しむ、この生き方が幸福の源であり、そこにお金は不要だ」と教わりました。金持ちにならないと手に入らないと思っていた夢の世界を、フィジー人は「生きる姿勢」で自然に手に入れていたことに驚きました。フィジーで見た世界の様にお金よりもっと大切なものが身近につくれる日本を夢見ています。


トライ&エラーと今年の抱負/公共マネジメントグループ 石川俊博
 「夢」と言われたら子供の頃なりたかったものを思い出す人が多いと思いますが、私は挫折したことを沢山思い出しました。傘をパラシュートにして空を飛ぶ(少し高い場所から飛び降りるも傘が壊れて挫折)、穴を掘って地球の裏側に行く(マグマがあると知り諦める)、永久機関(磁石で色々やってもどうしても途中で動かなくなる)、ドングリを埋めて大木に育てる(未だに育たない理由不明)などです。
 結局はどれもできなかったことですが、自然や世界の仕組みを知るきっかけになったり、新しい知識に出会ったときに失敗の経験があるが故によく仕組みを覚えることができました。さて、ここから今年の抱負のようなものですが、幼い頃にトライ&エラーで世界を広げたように、何事も怖がらずに挑戦する年でありたいと思いました。


「分からぬ...」を大事にする/都市・地域プランニンググループ 稲垣和哉
 ゆめ、と言われて、夢野久作の「ドグラ・マグラ」を思い出しました。学生時代の暇な時に、なぜか手に取って読んだ本です。三大奇書の一つとして有名ですが、確かに独特な読後感を経て、「分からぬ...」となった記憶があります。
 本を読む、となれば、最近はどちらかというと実用書や専門書になりがちで、小説を読む機会が減りました。順を追って丁寧に話が展開されていく「分かりやすい!」も良いのですが、自分には無い価値観にさらされて「分からぬ...」となる時間も大事だなあと改めて思います。とある人が、この「分からぬ...」を経てパワーアップすることを「脳がでかくなる」と表現していて、なるほどと思いました。僕もどんどんでかくしていきたいと思います。


夢の外へ/地域産業イノベーショングループ 遠藤真森
 大学時代からよく聴いている星野源さんの楽曲に、「夢の外へ」があります。源さんらしい世界観や価値観が散りばめられていて、好きな曲です。
 歌詞に「意味の外へ連れてって そのわからないを認めて この世は光 映す鏡だ」とあります。自分の頭の中は人に理解してもらえないし、自分でも訳がわからなくなることがあるけど、その「わからない」を受け入れて外に出てみたら、はっきりするかもしれないし、わからないままでいいと思えるかもしれないという意味だと解釈しています。誰しも理解されない、できない恐れは持っていますが、とりあえず外に、社会に出てみようと。身近にいる内に籠もりがちな人、あるいは自分自身にたまに聴かせたい曲です。


夢から目標へ/総務部 近江篤
 子供の頃、将来の夢は、と問われると屈託のない表情で「プロ野球選手」と答えておりました。自分の過去を振り返ると、学生時代は好きな野球ばかりしていたなと顧みることができます。
 当時の「なりたい職業ランキング調査」では、男の子なら断トツで野球選手等のプロスポーツ選手でした。しかし、現代ではユーチューバーという回答があるものの、会社員/公務員等の現実路線の回答が意外に多いようです。
 6歳の息子に将来の夢を聞いてみると、「医師」(医師でも外科医という具体的な回答に驚き!)。夢を持つことは「目標」になる為の第一歩でもあるので、親としてできることを精一杯していきたいと考えています。


夢を語らう場所/地域再生デザイングループ 太田雅己
 大学時代からこれまで一人暮らしをしていましたが、共同生活やコミュニティ形成に関心があったのと、何より楽しそうだと思い、12月から同年代の5人でシェアハウスを始めてみました。 共用スペースのリビングで、みんなで集まってとりとめもない話をしていると、たまに熱くなって夢を語り合う瞬間もあります。
 仕事に追われていると自分が本当に何がしたいのかを見失いそうな時がありますが、そうして語りあったときに、自分の言葉にして思い出すことができます。
 年齢を重ねて落ち着いていかないといけませんが、時には青くさい夢を語り合うことも大事にしていきたいと思います。


「ゆめ」と聞いて・・・/地域再生デザイングループ 小川直史
 私は、約10年前に終了した某お笑い芸人がパーソナリティを務めていた深夜ラジオのヘビーリスナーでした。番組終了以降も何度も聞き直し、約160回の放送をかれこれ5周は聞いています。学生時代は、研究生活と寝る前のお供でした。エンディング曲として使われていた曲が、銀杏BOYSの「夢で逢えたら」。番組の終わり際にトークと並行してこの曲が流れ始め、「夢で逢えたらいいな、夜の波をこえてゆくよ」というフレーズと共に毎回の放送が終わりました。最終回のエンディングでは、過去の名物トークと押し寄せたリスナーの歓声とともに歌が流れ、グッとくる演出となっています。今年もまた、移動のお供です。


夢にまつわる作品/都市・地域プランニンググループ 小島みのり
 今回はテーマが「ゆめ」なので、夢から連想されるキーワードに合う作品を紹介します。
 【明晰夢】『インセプション』(クリストファー・ノーラン)【夢を追う】『ジョジョの奇妙な冒険 Parte5 黄金の風』(荒木飛呂彦)【予知夢】『DUNE』(ドゥニ・ヴィルヌーヴ)【悪夢】『マルホランド・ドライブ』(デヴィッド・リンチ)【ユートピア】『アメリカン・ユートピア』(スパイク・リー)【ディストピア】『未来世紀ブラジル』(テリー・ギリアム)【ノスタルジック】『 嶺街少年殺人事件』(楊德昌)【幻想的】『セノーテ』(小田香)
 お正月っぽくないものも混ざっていますが、お正月休みにぜひ見てみてください。


しょうらいのゆめ/サスティナビリティマネジメントグループ 駒和磨
 「しょうらいのゆめ」というのは、小学校~高校で、クラス替えに伴い年に1回は自己紹介で発表する(させられる)テーマだったなと記憶があります。当時の自己紹介文を遡ってみると、私は、12年間ずっと「社長」と書き続けていました。今思えば、特に上に立つ立場になりたいわけでも無く、当時なぜ書いたのか思い出せません (笑)(たぶん、正直に夢を書くのが恥ずかしかったのかと思いますが・・・)。
 今回の記事で、自分の夢を振り返る機会になったので、これからの20代終盤も、しっかり自身の夢に向き合う時間を取っていこうと思いました。


「夢」って何だろう/建築プランニング・デザイングループ 新開夏織
 「将来の夢は何?」―小さいころから、この質問をされるたびに困った記憶があります。改めて、夢って何だろう?と考えていたら、不意に、忍たま乱太郎の『夢はでかくなけりゃつまらないだろう胸をたたいて冒険しよう』という歌詞が頭に浮かびました。他にも『やりたいこと やったもんがち』『じっとしてちゃはじまらない』『ぼくたちが持てる輝き永遠に忘れないでね』といったフレーズがあり、「夢」って大きく考えすぎなくても、やりたいことを素直にやってみることが夢への一歩なのかなと思いました。
 まずは好きな事、気になる事をやってみることを夢にして、大きな「何か」を探してみたいと思います。


いつか行ってみたい場所:ヘリタンス・カンダラマ/建築プランニング・デザイングループ 杉本健太朗
 本レターズの編集長から「夢を持っていますか?」と突然聞かれたとき、私はいつか行ってみたい場所が、ぱっと心に浮かびました。それは、スリランカのジャングルの中にあるホテル、ヘリタンス・カンダラマ(ジェフリー・バワ設計)です。森と建築が溶け込んだ風景を映像で初めて見たときは、衝撃的でした。そもそもリゾートホテルというものに泊まったことがなく、ヘリタンス・カンダラマは、行ってみたい夢の場所であり、そこで長い時間ぼーっとして過ごすことに憧れがあります。多忙な業務に追われる日々の中で、さらにコロナ禍が加わり、海外旅行はもちろんのこと、国内旅行でさえも気軽に行きにくい時期が続いていますが、いつか必ず行ってやりたいと思います。


人と人とがつくる「夢」の世界/地域再生デザイングループ 高瀬咲
 「私たちは夢の中にいる。それは愛でできている。」これはコロナ禍で自粛になって以降、久しぶりに生で鑑賞したライブの冒頭の言葉です。
 今までは作品に夢や希望をもらうばかりと思っていましたが、現地で「お客様がいて成り立つ、輝かせてくれる」という演者さんの言葉を聞き、みる者がいなければ成り立たない「夢」の世界と同様に、客席で観ている私も作品の世界を作る一部なのだと実感しました。
 ライブや舞台は生で場をつくるという限りなく「現実」の延長線上で「夢」のような体験ができるというところが魅力で、いつも力をもらっています。これからも「夢」を糧として「現実」を頑張っていきたいです。


小学校の思い出/地域再生デザイングループ 竹内和巳
 小学生のころはもっぱら「劇的大改造ビフォーアフター」大好きっ子だった私ですが、そういえばあれはまちづくりだったのかなあ、という思い出があります。
 当時小学校の総合学習で、「浜松NPOネットワークセンター」の方と一緒に、地域の川の清掃などの活動をする機会がありました。
 曖昧な記憶ですが、なんだか楽しくて、一生懸命やっていた気がします。学校で声掛けして彼岸花の球根を集めて川沿いに植える企画をした気がしたので、検索してみたら群生していたので大勝利です。
 実は昔から夢だったのかもしれません。今年は脂汗の少ない夢にできることを切に願います(笑)


この執筆を機会に改めて考えてみました/サスティナビリティマネジメントグループ 豊福宏光
 私は幼少期に描いた大きな「ゆめ」は特に無かったですが、興味のある事やモノはあり、現在までそれなりに興味のある事等を経験させて頂いたと思っています。生きることに対してその時々は、本気で考えワクワクしたり楽しかったりしましたが、改めて考えてみると最終的に自分がこんなことをしたい=「ゆめ」を真剣に考えたことが無かったと気が付きました。その理由は、とにかく生きるためにがむしゃらだったり、親の教育の固定観念だったり、時には世間の既成概念だったりが邪魔をしていたと思いました。現在私が40歳という年齢や家族・友人の生活、社会の事・モノが劇的に変化する中で、今だからこそ具体的な「ゆめ」を考え、その実現できるように日々を丁寧に過ごしたいと思っています。


夢中になっていること/都市・地域プランニンググループ 筈谷友紀子
 私がずっと「夢」中になっていること、それは深夜のラジオ番組を聴くことです。一週足りとも欠かさず聴いている番組が2つと、たまに聴きたくなる番組がいくつかあり、これらが私の心の拠り所です。昔から寝付きが悪い方で、それこそ悪い「夢」をよく見てしまうのですが、そんな夜のお供が深夜ラジオでした。深夜ラジオの魅力はまるでパーソナリティーとおしゃべりしているような、昔からの友達のような、そんな錯覚に陥るところです。最後に、深夜ラジオあるあるで締めくくりたいと思います。『毎度寝落ちしがち』


ヨガで健康な心と体を鍛えます/地域産業イノベーショングループ ホアン ゴック チャン
 大阪に住んでいた時、仕事帰りにヨガクラスに通ってました。夜の授業はちょうど仕事との区切りも出来て嬉しいです。一時、ヨガの先生のカッコよさに憧れインストラクターになりた~いという夢を持ちました。当時は仕事が終わっていなくても定時になると、先に授業に向かい、レッスン後にまた仕事に戻るくらい練習したかったです。そして、自宅だけでなく旅先でもどこでもヨガすることに夢中になりました。
 最近、引っ越しでバタバタして、ゆっくりヨガをすることさえ出来ませんでした。夢を追いながら、体と心のバランスの取りつつ、今年は健康でヨガが出来る生活を取り戻したいと思います。


夢見心地/公共マネジメントグループ 水野巧基
 夢と聞いて私が思い浮かべたのは、「竹久夢二」です。学生の頃、夢見心地でウトウトしていると、留学生に「夢二を知っているか?Kawaii(かわいい)文化のルーツを作った人だよ。」と熱弁をされたことを思い出しました。あれから数年、彼の生まれ育った岡山県瀬戸内市で、仕事をさせて頂いているのも何か縁を感じます。
 今や世界共通言語となった「Kawaii」は、女性と男性にとっても「夢」なのかもしれません(かわいい女性になりたい、かわいい人と結婚したい)。
 そんなことを考えながら、今の私はというと、昨年に娘が生まれ、妻と娘のかわいい女性に囲まれて夢見心地な日々を過ごしています(笑)


特別なことをするために、普段どおりの当たり前のことを/地域産業イノベーショングループ 武藤健司
 小学生の私は、野球チームに所属していたこともあり、将来の夢はプロ野球選手でした。特に、イチロー選手に憧れて、打席でのルーティンから背面キャッチまで、何でも真似をしていました(小学校の卒業アルバムには「第2のイチローをめざす」と書いています)。
 プロ野球選手にはなれなかったですが、イチローイズムには常に刺激を受けてきました。準備の大切さ、言葉にして挑戦すること、自分にできることを積み重ねるなどなど、プロとしての姿勢を学ぶことも多いです。引退会見での名言「後悔などあろうはずがありません」なんて言える日々を過ごしていきたいです。


たまにはちゃんと考えてみようかと思います/都市・地域プランニンググループ 山崎将也
 小さな頃に見ていた将来の夢は「登山家」だったと思いますが、他にも何も知らないが故の無鉄砲な様々な未来を思い描いていたような気がします(だいぶ忘れてしまいました)。そこから歳を経るごとに、無鉄砲だった夢は少しずつ現実的なものへと替わっていきましたが、夢の大きさより、それを叶えるためにどれだけ頑張れるかが大切なのだろうと思います。
 人生の折り返し地点も後ろにボヤけ始めた今、改めて「夢」にどう向き合うか。子供の頃に思い描いていたこと、今やりたいこと、将来成し遂げたいこと・・・正月の間に少し真面目に考えてみようかと思います。皆様の今の「夢」は何ですか?


2050年宇宙の旅へ/地域産業イノベーショングループ 山部健介
 前澤社長の宇宙旅行で思い出したが、私が一番最初に持った夢は「宇宙旅行」に行くことだった。毎晩寝る前に読んでもらっていた本は、宇宙の仕組み図鑑とニール・アームストロング船長の月面着陸の話しだった。宇宙での食事や風呂、トイレの仕組みを熱心に勉強したり、毛利衛さんが日本人初のスペースシャトル搭乗が決まった際には、牛乳パックでシャトルを大量に作って怒られた記憶がある。
 それから30年以上たったが、Youtubeで宇宙船の打上げ(と無線での交信)を見ると、無性にワクワクするのは変わらない。100億は無理だが、2050年に100万くらいになったら喜んで行こうと思っている。


改めて夢を持つ/地域再生デザイングループ 山道未貴
 夢と聞いて、小学校の文集に友達が開くケーキ屋さんの隣で雑貨屋さんをすると書いたことを思い出しました。当時は、自分の好きなことを仕事にしたいと思っていたのかなと懐かしく感じました。大人になっても共通することは、自分の好きなことを仕事にできていることです。また、昨年は地元でお仕事させていただく機会が増え、夢が一つ叶いました。コロナ禍もあって、なかなか現場に行くことができず不自由でしたが、やはり直接会ってお話することがこの仕事の醍醐味だなと感じました。
 性格的に少し冷めているところがあるので、夢なんて語ってもといったところもありますが、コロナ禍だからこそ、こんなことしたい、こうなりたいと夢を持たなくてはと思いました。


夢のある未来のために/地域再生デザイングループ 山本貴子
 昨年、新年号の特集“福”で、私は「今年はまた福島に行きたい」と記し、そして十年ぶりに福島の街を訪れました。その街は、描いた通りにはなっていなかったけれど、建物が建ち、人が暮らし、生活の音や匂いがありました。そして、街で見かけた「ふくしま浜街道・桜プロジェクト」の桜の木には、“たくさんの支援や応援のおかげで夢に向かって頑張れています”とのプレートが掛かっていました。街をつくるということは、とても難しい。思うようにいかないことばかりです。それでも、絶望や失望の中で小さな希望となり、当たり前の日常をつくり、誰かの夢を支えることになるんだということを改めて感じた旅でした。

少し先の、少し遠くへ/都市・地域プランニンググループ 依藤光代
 4歳の息子に夢を尋ねたところ「新幹線の運転士」と即答!1年ほど前は「新幹線」そのものになりたいと言っていたので、成長を感じます。
 6歳の息子は「家をつくる人」。家を建てる大工さん?と尋ねると「どんな家にするか考える人。設計士」とのこと。私も夫も設計を仕事にしているわけではないので多少驚きつつ、ニヤリと顔が緩んでしまいました。
 昨年は10代や20代のことを振り返る機会が何度かあり、手つかずになっている目標があることを確認しました。今年は目線を上げて、目の前や足元のことだけでなく、少し離れた人とも交わり、少し先のことも意識し、少し遠くを見て関わっていくように心がけたいと思います。

レターズアルパック編集委員会

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