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229号(2021年9月号)きんきょう&イベントのお知らせ

受賞しました


この度、建築学会の優秀修士論文賞を受賞しました。修士論文の題目は「空間の残存に着目した悲劇の記憶の継承メカニズムに関する考察」です。

建築学会の優秀修士論文賞を受賞しました!
都市・地域プランニンググループ 筈谷友紀子
 この度、建築学会の優秀修士論文賞を受賞しました。修士論文の題目は「空間の残存に着目した悲劇の記憶の継承メカニズムに関する考察」です。空間が残ることで悲劇の記憶はどのように継承されるのかという問いを立て、ハンセン病の隔離施設や被爆遺構でありながら加害の象徴でもある長崎刑務所浦上支所の保存をめぐる議論と継承活動の展開を分析しました。悲劇を象徴する空間は、歴史的建造物などとは違い明らかな建築学的価値を持ちません。悲劇性や教訓、すなわち記憶の継承そのものが保存価値となります。本研究では、様々な異論を乗り越えながらも、空間が記憶の継承に結びつけられ、希求される過程を明らかにしました。
 研究を進めるにあたっては指導教員や副査の先生のほか、市民参加や社会学など様々な専門分野の先生にご助言をいただきました。建築学会の賞ではありますが、建築という領域に留まらない点が評価いただけたのかと思います。今後は修論の成果を学会論文にすることを目標に、精進したいと思います。

日本景観生態学会2021年度論文奨励賞を受賞しました!
サスティナビリティマネジメントグループ 末次優花
 この度、日本景観生態学会2021年度論文奨励賞を受賞しました。受賞論文は、菅井理恵氏、日置佳之教授(鳥取大学農学部)、田中一郎氏および土居克夫氏(NPO法人日本野鳥の会鳥取県支部)との共著であり、主題は「オオタカ(Accipiter gentilis)の生息に配慮したマツ林管理に関する事例研究」です。
 この研究では、「人間活動(林業)」と「自然環境の保全」の両立というテーマで取り組みました。鳥取県大山山麓に位置する「鳥取県立大山オオタカの森」を研究地として、かつて有名であったブランド材「大山マツ」の生育するアカマツ人工林の管理と、希少種であるオオタカをはじめとした生物多様性保全の両立の可能性について探りました。調査では植物・鳥類に着目し、森林施業により鳥類の多様性に大きな影響は生じていないことが明らかとなりました。また、(1)オオタカが営巣木として利用できる大径高木の育成、(2)オオタカの林内の飛翔空間の確保、以上2点を目指す森林管理は、「アカマツ人工林の育成」と「生物多様性とオオタカの生息地の保全」の両方にとって適切であることが明らかとなりました。
 人間活動は、自然などの環境に対して、良くも悪くも影響を与えます。逆に人間も環境のなかで生活しており影響を受けています。より良い共存の形を探して、今後も業務・研究等に取り組みたいと思います。

大山オオタカの森のアカマツは大径通直で梁など建築用材として人気です

大山オオタカの森のアカマツは大径通直で梁など建築用材として人気です

都市・地域プランニンググループ 筈谷友紀子、サスティナビリティマネジメントグループ 末次優花

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