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Letters arpak八尾市で「文化的コモンズ」の形成に向けた取組が始まっています
大阪府八尾市はものづくりのまちとして、また河内音頭や河内木綿のまちとして有名ですが、現在、芸術文化振興に関する条例制定及び条例に基づいた次期プラン策定に取り組んでいます。
大阪府八尾市はものづくりのまちとして、また河内音頭や河内木綿のまちとして有名ですが、現在、芸術文化振興に関する条例制定及び条例に基づいた次期プラン策定に取り組んでいます。
八尾市ではこれまで、文化会館「プリズムホール」を中心に芸術文化の振興に努めてきました。一方、現行プランを総括する昨年度の市民会議において、「文化会館をはじめ、市内の文化施設やコミュニティセンター、さらには民間施設で行われている芸術文化活動の連携を促進する」ことが提案されました。
(一財)地域創造「地域における文化・芸術活動を担う人材の育成等に関する調査研究報告書」(平成28年3月)では、地域の共同体の誰もが自由に参加できる入会地のような文化的営みの総体を「文化的コモンズ」と称しています。地方自治体の文化事業は、これまで公共文化施設が担っており、中心的な役割を果たす一方で交通アクセスや芸術文化のジャンル・内容等の観点から、一部の市民利用に留まる傾向も見られました。近年、芸術文化による積極的なアウトリーチ活動や社会包摂の取組が盛り上がりを見せる中、八尾市では市内全域で芸術文化活動が取り組まれ、市民が芸術文化をより身近に感じられるとともに、これらの活動や拠点が有機的につながることを目指し、審議会やワーキング部会、またワークショップなどを通じて、その取組アイデアや仕組みづくりの検討を進めています。
8月には芸術文化振興に関する条例の骨子について答申が行われ、「芸術文化による八尾ならではの創造と交流の基盤」を形成していくことが目指す姿として描かれました。これを実現するため、現在は具体的なアクションや推進体制を検討しているところです。
地域産業イノベーショングループ 江藤慎介
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