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229号(2021年9月号)今、こんな仕事をしています

ゆる~く「学び」を考える


時代の変化とともに、学校の形態も変わってきています。高度経済成長期には、全国民に教育を提供するという考えのもと、校舎や教育プログラムは画一化され効率的に整備・提供されました。

 時代の変化とともに、学校の形態も変わってきています。
 高度経済成長期には、全国民に教育を提供するという考えのもと、校舎や教育プログラムは画一化され効率的に整備・提供されました。以降、バブルの崩壊・リーマンショック・東日本大震災等、価値観の転換を促す様々な出来事を経て、ゆとり・生きる力がキーワードとなり、自発的な学びを生み出すための空間、サポートのあり方に重心が移ってきました。
 そして現在は、これまで教育の場であった学校から、学びの場としての転換が進み、教室に閉じない、地域と連携した学びの実現に向けて様々な取組が進められています。

ガリバーマップでアイデア出しをしている様子

ガリバーマップでアイデア出しをしている様子

 今回、高槻市の富田地区というところで、類設計室さんと共同で「新しい学校づくり」をテーマにしたワークショップを開催しました。小中一貫校の実現に向け、「富田地区のまちづくり」の中心となる「学校づくり」とはどのようなものか、地域の方々とアイデアを出し合いました。「学び」をキーワードに、「地域全体での学び」「学校内での学び」の2つの観点からイメージを深めていきました。「地域の全体での学び」では、2.5メートル×2.5メートルのガリバーマップを作成し、地図の上にのりながら、地区の隅々まで見渡しました。普段見る地図とは異なるスケールなので、慣れるまでは若干の戸惑いもありましたが、大きいだけでも面白いということでわいわい盛り上がりました。
 いろんなアイデアが出ましたが、個人的には「成人式に飲むためのお酒を小学校の時に仕込んでおく」「酒蔵を学校に併設して、地域の人が集まって酔える場をつくる」などが面白いなと思いました(富田地区には酒蔵がいくつかあります)。学びというと真面目に考えてしまうかもしれませんが、これくらいのゆるさが必要なのかもしれません。

都市・地域プランニンググループ 稲垣和哉

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