レターズアルパック

Letters arpak
   
228号(2021月7月号)今、こんな仕事をしています

芸術文化が薫るまち、東京の長崎


上司「長崎の仕事やってみませんか?」、私「(九州の仕事か、楽しそう)やりましょう」気が付いたら私は東京の長崎にいました。みなさん、東京にも長崎があるって知っていました?

 上司「長崎の仕事やってみませんか?」、私「(九州の仕事か、楽しそう)やりましょう」気が付いたら私は東京の長崎にいました。みなさん、東京にも長崎があるって知っていました?
 予期せぬ形で東京都豊島区の長崎地区のまちづくりに関わることになったのですが、このあたりには手塚治虫、藤子不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫など著名な漫画家が住んでいたトキワ荘があります。その他にも、昭和初期に若い芸術家向けにアトリエ付貸家が集まったアトリエ村も存在していたなど、長崎地区は芸術文化の薫りがするエリアなのです。
 業務自体は東京都が整備を進めている都市計画道路の整備に合わせ、沿道の残地活用・代替地創出、沿道建物更新・共同化促進、駅前共同化事業の推進、道路公園等の公共施設整備を検討するなど、地区全体の木密地域の改善に向けた取組みを検討するものです。都市計画的な手続きの難しい話がベースにありましたが、まちづくりの方向性を考えるにあたって芸術文化という切り口は良いアクセントになりました。
 まちづくりに関わる仕事をしていると、具体的に何かをつくるわけではないので、「変わっている」という実感がなかなかわきづらいです。そんななか現地調査で、道路用地として買収された土地を発見しました。柵で囲われた何もない空間なのですが、道路整備の計画が可視化されたように思えて思わず写真をとりました。もちろんポジティブな意味で撮ったわけではないのですが、この業務をきっかけに、この空間が暫定的にでも地域のために活用され、そのうえで道路が完成すれば、「変わった」と実感できるのではないかと思えます。これはそのための記録写真です。

道路用地として買収され、柵で囲われた何もない空間

道路用地として買収され、柵で囲われた何もない空間

都市・地域プランニンググループ 稲垣和哉

228号(2021月7月号)の他記事

バックナンバーをみる

タグで検索

ページトップへ