レターズアルパック

Letters arpak
   
227号(2021月5月号)今、こんな仕事をしています

玉津島神社の境内修景整備が完成しました


玉津島神社は和歌山市域の南部に位置し、2010年8月には隣接する鹽竈(しおがま)神社や背後の奠供(てんぐ)山とともに、国名勝「和歌の浦」として指定されました。

 玉津島神社は和歌山市域の南部に位置し、2010年8月には隣接する鹽竈(しおがま)神社や背後の奠供(てんぐ)山とともに、国名勝「和歌の浦」として指定されました。
 和歌の浦と雑賀崎の一帯が歴史まちづくり計画の重点地区として指定(2018年3月認定)され、歴史的建造物の保全・活用に関する事業として、この玉津島神社境内修景整備が位置付けられました。アルパックはこの境内地修景整備の設計と重点監理についてお手伝いしました。
 玉津島神社の境内地修景整備の主な修景内容は、現存鳥居前の宮前広場から左右に広がる2本の参道の修景整備と「西大鳥居」の再建をはじめとした宮前周辺の顔づくり、境内地奥の地形等を活かして和歌の浦方向を眺めることができる「歌枕展望広場」の整備です。
 西大鳥居は、1997年老朽化により撤去された鳥居を再建するもので、ほぼ同じ場所に耐久性の高い鋼製の鳥居を新築(写真(1)(2))しました。この西大鳥居の再建により、神社西側入口の象徴性がより高まってきたと思います。

(1) 再建した「西大鳥居」

(1) 再建した「西大鳥居」

(2)西大鳥居下の「青石」の乱張り舗装

(2)西大鳥居下の「青石」の乱張り舗装

 また、神社境内地の外構舗装の特徴として、拝殿から既存鳥居(写真(3)控え柱付きの木製鳥居)床面の舗装に紀州産の「青石」による乱張り舗装が施されおり、拝殿前の象徴的空間をつくり出しています。これらの「青石」を修景舗装に活用するなど、神社の特性を活かすような舗装設計としました。

(3)拝殿前の既存鳥居(袖柱の付いた木製鳥居)と既存の青石乱張り舗装

(3)拝殿前の既存鳥居(袖柱の付いた木製鳥居)と既存の青石乱張り舗装

 歌枕展望広場は、拝殿の左手奥に新設した展望広場で、玉津島神社の中から和歌の浦方向を展望できる唯一の場所です。拝殿手前より奥の歌枕展望広場へ誘うように、青石を伝石のように配置しています。(写真(4)(5))朱色の斎垣(いがき)は、老朽化したものを新調し、展望広場を囲んでいます。和歌で詠まれた和歌の浦の風景を眺めながら、休憩等ができる展望広場として完成しました。和歌の浦においでの際は、玉津島神社にお立ち寄りいただき、新しく修景された宮前広場や歌枕展望広場でおくつろぎください。

(4)拝殿の左手奥に続く「歌枕展望広場」へのアプローチ

(4)拝殿の左手奥に続く「歌枕展望広場」へのアプローチ

(5)歌枕展望広場の入り口付近、朱色の斎垣(いがき)は新調したもの

(5)歌枕展望広場の入り口付近、朱色の斎垣(いがき)は新調したもの

 また、玉津島神社の西側敷地では、和歌の浦の歴史的風致、日本遺産の価値やその成り立ち等を情報発信するため、「和歌の浦ガイダンス施設」の整備が予定されています。玉津島神社や和歌の浦周辺の魅力が多くの方々に伝わることが期待されます。

(6)歌枕展望広場の様子

(6)歌枕展望広場の様子

(7)宮前広場の句碑と句碑説明サイン

(7)宮前広場の句碑と句碑説明サイン

都市・地域プランニンググループ 水谷省三

227号(2021月5月号)の他記事

バックナンバーをみる

タグで検索

ページトップへ