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Letters arpak風物詩紀行
【風物詩】(1)風景または季節をうたった詩。(2)季節の感じをよくあらわしている物事。(広辞苑より)。四季折々の景色とその土地の持つ文化が織りなす風景はとても魅力に感じられます。私がこの仕事を選んでいるのもそんな魅力を数多く味わい続けたいと感じているのかもしれません。
【風物詩】(1)風景または季節をうたった詩。(2)季節の感じをよくあらわしている物事。(広辞苑より)。四季折々の景色とその土地の持つ文化が織りなす風景はとても魅力に感じられます。私がこの仕事を選んでいるのもそんな魅力を数多く味わい続けたいと感じているのかもしれません。
さて、初夏の候、私の自宅のある豊橋市では、夏の風物詩ともいえる『手筒花火』に向けた準備が着々と進められています。
手筒花火は、愛知県豊橋市が発祥の地と言われており、愛知県東部・東三河地域の伝統的な花火です。縄を巻いた、長さ1メートルほどの竹筒に火薬と鉄粉を詰めて作られており、無病息災、悪疫退散、五穀豊穣などを祈る奉納行事として豊橋市内の数多くの祭礼で揚げられています。また、この手筒花火は、揚げ手が一日限定の臨時花火師の資格を取り、自ら竹の切り出しから火薬の仕込み、詰め込みまですべて行うことが伝統になっています。揚げ手は、筒を脇の横に両手でしっかりと抱えるように持ち、巨大な火柱を噴出させ、最後に「ハネ」と呼ばれる炎が大音響とともに足元に吹き出す勇壮な花火です。起源は、戦国時代にさかのぼり、この地域で盛んになったのは、徳川家康が三河衆に火薬の製造を任せたことが花火の発展につながったとも言われています。
この時期になると、市内各所に地域の方々が集まり、手筒をつくる風景を目にすることができます。手筒花火の放揚はもちろんですが、各所で見られるこうした準備風景もまた、夏の訪れを感じつつ、地域のつながりが垣間見える風物詩となっています。昨年、コロナ渦で見ることができなかった風景でしたが、今年は、少しずつ、夏の訪れを伝えています。
地域再生デザイングループ 木下博貴
227号(2021月5月号)の他記事
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