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227号(2021月5月号)特集「風 KAZE」

夜明けにけぶる風待ちて。


感染防止対策の関係でずっとお休みされていて残念でならないのですが、家の近所に京都発祥の某メジャーチェーンの焼き鳥屋さんがありまして。それはもう、世俗の垢を落として帰宅するヤムニヤマレヌ必要から、ちょくちょく行っていたわけです。

 感染防止対策の関係でずっとお休みされていて残念でならないのですが、家の近所に京都発祥の某メジャーチェーンの焼き鳥屋さんがありまして。それはもう、世俗の垢を落として帰宅するヤムニヤマレヌ必要から、ちょくちょく行っていたわけです。
 入口の引き戸に手をかけるはるか前から、そらもう鶏の油煙が薫りますわ。ピンと広がった姿でパリパリに焼けた皮とか、弾力の歯ざわりが小気味いいハツとか、もう一発ハツとか、和辛子がよく合うつくねとか、いやここは奥歯の臼で楽しむズリにいって、舌奥でねっとりとろけるレバーからの、再びのつくねとか。だいたいそんな感じで、いつもほとんどを塩で頂きます。安くて旨い庶民の味です。いったい誰が、塩だれ+マヨで頂くキャベツを避けて通れましょうか(決して避けることなどできません) 。
 チェーン店とはいえ、店舗ごとでかなり独自性の強い営業をされています。我が家最寄りのお店は住宅地に立地しているので、ちびっこ複数引き連れてのワイガヤ3世代家族や小学校時分からの同級生仲間のおっちゃん&おばちゃんズなんかもよく来られます。
 そうして地縁コミュニティがゆるくつながる場ともなっているお店ですから食事メインの人も多い。ですので、ここには焼きおにぎりのひとつの完成形があるのです。醤油のしみたところが炭火にじっくり炙られてアラレくらいに仕上がってます、前出の油煙の薫り付きで。オーダーしたことはないものの、皮ごと真っ黒に焼いた焼きバナナとか、デビルのピザとかだってあります。焼き鳥屋さんだもの。
 デビルっていうのは、〝小悪魔風〟ってくらいの意味かと思います。ちょいとからいんでしょうね。フゥ。

公共マネージメントグループ 廣部出

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