レターズアルパック

Letters arpak
   
226号(2021年3月号)まちかど

火を囲み、人の輪が 広がるまちの広場


昨年10月に本格オープンした茨木市市民会館跡地のIBALAB@広場(イバラボ広場)では、焚き火を通した人の輪が広がっています。

 昨年10月に本格オープンした茨木市市民会館跡地のIBALAB@広場(イバラボ広場)では、焚き火を通した人の輪が広がっています。
 広場で営業するカフェ「いばらきコモンファクトリー」の利用とあわせて、小さなお子さんを連れたお母さん同士が会話を楽しんだり、散歩途中のお年寄りが休憩がてら時間を過ごしたり、近隣の小中学生が放課後に立ち寄ったりと、思い思いの普段使いをして茨木のまちなかを楽しんでおられます。
 この広場では、一般的な公園では禁止事項にされていることもやれるようにしようということで、オープンと並行して使い方のルールを検討し、音楽の演奏やイベント実施のほか、一部のエリアではストリートスポーツやボール遊びが楽しめる広場となっています。
 なかでも一定のルールのもと火の使用が可能であることが特徴的です。その特徴を活かすべく、広場のにぎわいづくりを担う広場運営者でもあるいばらきコモンファクトリーが主催となって、1月末から「焚き火を囲む会」をスタートしました。店主の藤井茂男さんがテーマを設定し、テーマに沿った市内で事業や活動を行うキーマンをゲストに、毎回10数人が広場の2時間ほどの語らいの場として毎週土曜日17時30分から開催されています。
 気候が良い時期ならいざしらず、寒い中、屋外での2時間、と聞くと「そんなに長時間外にはいられない…」と一瞬考えてしまいますが、そこは一見ならぬ〝一体験〟の価値あり。火や薪が燃える様子を眺めながら話をしていると不思議と時間が経っています。
 また、テーマに沿って限られた人が輪を囲んでいると閉鎖的で入りにくい雰囲気になりがちですが、みんなが囲む火に誘われるかのように、飛び入りでフラッと輪に入る人もおらます。また、やや薄暗いことがかえって参加者も肩肘張らず、テーマに対して率直な疑問や意見を交わせるなど、ある程度の領域感がありながらも閉鎖的にはならないやわらかい空間をつくっています。
 だんだんと暖かくなってきていますが(暑さに変わるのもすぐなのでしょうが)、まちなかで囲む「たき火」の会は続いていくとのこと。ゆるやかに人と人とがつながる広場の存在がまちなかの価値につながっていくといいなと思います。

地域再生デザイングループ 羽田拓也

226号(2021年3月号)の他記事

バックナンバーをみる

タグで検索

ページトップへ