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226号(2021年3月号)きんきょう&イベントのお知らせ

JIA市民大学講座2020まちづくりセミナー 「建築とまちの価値を高めるデザインレビューを考える」を開催しました


近年、自治体やエリアマネジメント組織による建築物や広告物のデザインマネジメントの取り組みが広がっています。その中でも建築とまちの価値向上のために有効な手法の一つとされる「デザインレビュー」のあり方についてJIA近畿支部都市デザイン研究会主催でセミナーを開催しています。

 近年、自治体やエリアマネジメント組織による建築物や広告物のデザインマネジメントの取り組みが広がっています。その中でも建築とまちの価値向上のために有効な手法の一つとされる「デザインレビュー」のあり方についてJIA近畿支部都市デザイン研究会主催でセミナーを開催しています。第二回では基調講演として坂井文教授(東京都市大学)に「英国CABEと建築・都市デザイン」と題したお話を頂き、その後、元行政職員、建築家を交え、ディスカッションを行いました。
 英国においてCABEは政府の建設投資のデザインの質を担保するための助言、技術支援を目的に1999年に設立された公的機関です。活動内容としては開発等に関するデザインレビューを始め、調査研究、デザイン教育等の多岐に渡ります。
 デザインレビューにおいては様々な専門家がレビュアーとして参加し、指摘を行います。実際に行われた事例では設計者に対し、色彩等の表層のデザインに留まらない本質的な内容が指摘されます。
 ディスカッションでは、デザインという明確な答えが難しい分野において、明確な指針がないと行政は強い権限を発揮しにくいという意見や、設計者としてレビュアーのバックボーンが見えない状態では裁量が大きい指導は納得しにくいのではとの話がありました。CABEにおいては事前にレビューの視点、論点を明確に示す他、それまでの事例を公表する等、設計者とレビュアーが共通認識を持ってレビューに臨むことができるように工夫がされています。また、調査研究活動の成果として冊子を年に複数回発行する等、より良い建築環境、都市デザインのためにレビューをする側も知識を蓄え、発信しています。日本においてもCABEの手法を参考に、レビューに関わる双方が議論をするための共通の土台をつくっていくことが大切であると考えられます。
 本研究会でより良いデザインレビューのあり方を探るために、引き続きセミナーや研究会を開催していく予定です(本活動については馬場、坂井、太田も事務局として参加しています)。
セミナー報告記録
http://www.jia.or.jp/kinki/pickup/13133.html

建築プランニング・デザイングループ 塗師木伸介

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