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226号(2021年3月号)今、こんな仕事をしています

「発酵からつながる滋賀」に取り組んでいます


滋賀県には、郷土料理である鮒寿司、漬物、味噌、醤油、地酒等の地域資源があり、発酵の食文化があります。

 滋賀県には、郷土料理である鮒寿司、漬物、味噌、醤油、地酒等の地域資源があり、発酵の食文化があります。
 滋賀県では、このような「発酵産業」の成長促進化に向けた取組を令和元年度から推進しており、アルパックが支援しています。

成長促進の方向性の研究
 令和元年度は、発酵からつながる滋賀研究会を立ち上げ、滋賀県が目指すべき方向性を研究しました。県内の発酵産業のすそ野は広く、特に食の分野が多いこと、滋賀県では小規模事業者が多いこと、びわ湖と周辺の自然を基にした淡水の発酵文化は滋賀独自であること等、滋賀県の特徴が見えてくる一方、現在は発酵ブームで発酵食の競争環境が熾烈となっています。
 そこで、滋賀県ではびわ湖を中心とした多様な生態系を背景として、各産業が「発酵産業」としてつながっている状態が分かりやすいことから「発酵からつながる滋賀」をコンセプトに掲げ、社会的な課題を発酵という切り口でビジネスを通して解決し、発酵(関連)産業規模が拡大することで「持続可能な社会の実現」している将来ビジョンを設定し、取組を進めていうことを提言しました。

「発酵からつながる滋賀研究会」報告書より抜粋

「発酵からつながる滋賀研究会」報告書より抜粋

プラットフォームの設立
 研究会で取りまとめた報告書を踏まえ、令和3年1月に「発酵からつながる滋賀プラットフォーム」を設立しました。滋賀県の発酵産業の成長促進化に関心のある方ならどなたでも参加できるもので、主にFacebookグループで情報発信・意見交換をしています。現在、既に200名以上の方が参加されています。

オンライン勉強会の開催
 プラットフォームの取組の一つとして、ウィズコロナ/ポストコロナ時代の発酵産業に必要な知識や事例等を学ぶオンライン勉強会を開催しています。令和2年度は合計3回の勉強会を開催し、発酵デザイナー小倉ヒラクさん、(株)ファーメンステーション酒井里奈さん、D&DEPARTMENT PROJECT 相馬夕輝さんを講師としてお招きしました。「『さばずしのうた』を作り、歌って踊ることが認知度向上につながるのではないか」「学びとディープな体験を行う発酵ツーリズムを通じて、新たな関係性が構築されるのではないか」といった気づきが生まれ、令和3年度以降の取組につながりそうです。

オンライン勉強会の様子

オンライン勉強会の様子

『滋賀発酵商店』の開設
 「発酵からつながる滋賀」の取組を進める中で最大の課題は、滋賀県の発酵産業の認知度向上です。発酵が好きな人は関心を寄せるものの、関心がない人は見向きもしない。一方でコロナ禍によりデジタルシフトが加速し、社会潮流ではモノ消費・コト消費からトキ消費・イミ消費へと価値観が転換しています。このため、令和2年度にはモデル事業として、滋賀県の発酵の魅力を新しい側面から紹介するウェブコンテンツ『滋賀発酵商店』を制作しました((株)KUUMAとの連携)。

滋賀発酵商店(https://shiga-hakko-shoten.jp/)

滋賀発酵商店

今後の展望について
 滋賀県の発酵産業の認知度が向上しても、新しいプロジェクトが生まれていなければファンは生まれません。このため、令和3年度は多様なプロジェクトを実践していく予定です。
※この業務は、高野隆嗣、武藤健司、並びに地域再生デザイングループの浅田麻記子、小川直史も担当しています。

地域産業イノベーショングループ 江藤慎介

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