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226号(2021年3月号)特集「萌え」

車好きを通して「コンセプト」を考える


学生時代にレンタカーで脱輪してしまい、それ以降は乗らなくなっていましたが、このコロナ禍で公共交通機関を避けて車を利用することが多くなりました。これまで車は「移動の足」としか見ていませんでしたが、様々な車を利用する中でそれぞれにコンセプトがあることを知りました。

 学生時代にレンタカーで脱輪してしまい、それ以降は乗らなくなっていましたが、このコロナ禍で公共交通機関を避けて車を利用することが多くなりました。これまで車は「移動の足」としか見ていませんでしたが、様々な車を利用する中でそれぞれにコンセプトがあることを知りました。
 例えば2000年代初頭に登場したホンダのフィットは、「パーソナルMAX」というコンセプトを掲げ、小さなサイズで何でもできることを目指したそうです。コンパクトカーとして安く売るために広さや利便性を省略して犠牲にするのではなく、内装のレイアウトを大きく見直すことで居住性を画期的なまでに広くし、生活のあらゆるシーンに「ぴったりフィットする」車を実現してヒットしました。
 このように企業は常に新しい価値を考え続けてチャレンジしており、コンセプトを知りテーマに共感すると、欲しい・乗ってみたいという気持ちが湧いてきます。(=ファンになります)。コンセプトを知った上でその車をカーシェア等で借り、実際に乗って体験することが最近の楽しみになっています。
 そしてまちづくりにおいても、コンセプトを考えることは同じだと考えていました。テレワークが普及し、どこでも仕事ができることで、住む場所を自由に選択できるようになりました。地方都市では人口流出が免れない中で、より持続的に生き残ることができるのは、ファンが多く、地域に積極的に関わる人が多いまちだと思います。
 車が単に「移動する」だけでなく、利便性やデザインなど常に新しい価値が付加されるように、私も地域の仕事を通して、そこに暮らすことを誇りとなるような新たな価値を提案していきたいと思います。

地域再生デザイングループ 太田雅己

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