レターズアルパック
Letters arpak適塾路地奥サロン報告
適塾路地奥サロンを開催しました。
領域を超えて~見えないニーズ汲み取りと建築デザインの役割~
イチバンセン一級建築士事務所 川西康之氏
(第28回 2020年11月13日)
第28回は、川西康之氏をお招きし、建築×デザイン×まちづくりをテーマに、関わられたプロジェクトのエピソードを交え、お話いただきました。川西氏は、鉄道駅リノベーション、鉄道車両、観光クルーザー、高速バスの設計デザインから幼稚園・福祉施設の建築設計等、課題整理+建築設計+事業運営+情報発信をトータルにデザインされています。数々の受賞歴・メディア掲載の中で、例えば観光列車「えちごトキめきリゾート雪月花」(新潟県上越市・糸魚川市・妙高市)はテレビ番組などで目にしたことがあるのではないでしょうか。
また、奈良県川西町のご出身であり、近鉄結崎駅+公園+古墳(奈良県川西町 結崎駅8800人フューチャーセッション)のプロジェクトでは、ワークショップを重ね、課題整理、ニーズ分析、事業シナリオ分析等から「結崎駅周辺まちづくり基本計画」をまとめられています。例えば、現状の地上駅か、それとも橋上駅かの議論は、町民・利用者ニーズを詳細に分析し、合意形成を図っています。「町民みんなで使い倒せる結崎駅」の実現が楽しみです。
(杉本健太朗)
シビックテックが教えてくれるもの~まちと人とテクノロジー~
(一社)コードフォージャパン 佐藤拓也氏
(第29回 2020年12月4日)
第29回は、佐藤拓也氏をお招きし、近年盛り上がりを見せる「シビックテック」についてお話をいただきました。
シビックテックはその名の通り、「市民が自ら手を動かし、自分の住む地域を便利にしたり楽しくしたりすること」と一般的に言われています。「テック」という言葉があるので、IT系の人たちだけのものと思われがちですが、実はそうではありません。シビックテックは、課題を解決する技術力だけでなく、課題そのものを見つけだすことや、ユーザーとして使いやすさにコミットすることなど、エンジニア外の目線や意見を大切にする共創型のコミュニティです。
講演では、シビックテックの多様な活動の紹介やIT業界のオープンソース文化など多岐にわたる話題を提供していただきました。ITが私たちの生活の隅々にまで入り込むに伴い、まちづくりのプレイヤーも課題解決の方法もどんどん多様化していることを改めて感じました。そして、様々なあり方がある故に、自分はどうありたいのかを考え直す良い機会となりました。
(稲垣和哉)
適塾路地奥サロン実行委員会 杉本健太朗・稲垣和哉
225号(2021年1月)の他記事
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