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224号(2020年11月)きんきょう&イベントのお知らせ

適塾路地奥サロン報告


適塾路地奥サロンを開催しました。

関西都心のオフィスセンターの動向と都市構造の変化-過去と今後を展望する-
大島コンサルティング・オフィス 大島洋一氏
(第26回 2020年10月7日)
 第26回(10月7日開催)は、大島洋一氏に昨今のオフィス需給の動向について、お話いただきました。大島氏は、実務の傍ら、長年のオフィス移転調査から都心の変容と需給について、空間的・時間的に分析し、都市経営の観点から都市の供給(開発)と需要(都心のクラスター化)を研究されています。
 第一部(2008年~2013年:低迷期)では、リーマン・ショック後10年のオフィス供給(開発)と需要をオフィス移転から分析して2020年頃のオフィス不況を予測し、関西のオフィス特性、東京との市場比較を踏まえ、大阪都心でのオフィスセンター(クラスター)の変容について説明されました。
 第二部(2013年~2018年:活性期)では、都市と経済の変容のメカニズム及び今後の開発のあり方について提言いただき、オフィス移転件数と面積は、御堂筋線沿いに梅田に向かって増加していることが印象的でした。最後に想定外のコロナ禍における働き方とオフィスのあり方について、現時点の考察をお示しいただきました。リモートワークを積極的に活用していく企業が増えていく中、これからのオフィスのあり方について、注目していきたいです。(杉本健太朗)

人口減少で都市計画がどう変わるか
東京都立大学 都市環境学部教授 饗庭伸氏
(第27回 2020年10月21日)
 第27回は、饗庭伸教授をお招きし、著書『都市をたたむ』でも論じられた、都市の「スポンジ化」について触れながら、「人口減少で都市計画がどう変わるか」というテーマでお話しいただきました。
 人口減少が進む中、「過疎」を敵ではなく、どのように捉えていくか。人口、世帯、住宅数の減少がいつか安定状態に入ると仮定したとき、そこに向けて都市計画のゴール・ルートを設定できないか。現在行われているエリマネ等の仕組みを維持していくために、今後法律と制度のバランスをいかに取っていくか。等、人口減少下で起こり得る事象と対応策について、様々な切り口からお話しいただきました。
 人口減少と聞くと、どうしてもそれに伴う悪い影響ばかりに気を取られてしまいますが、丁寧に見ていくと、絶対に避けられない「スポンジ化」のような問題もあれば、空き家・空き地のように、目的を実現するための手段として、ポジティブに捉えられそうなものも存在します。本当に目を向けるべき点はどこにあるのかを改めて考える機会となりました。(小島みのり)

杉本健太朗、小島みのり

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