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224号(2020年11月)特集「あそび」

遊びが苦手な私


今回「あそび」をテーマに原稿依頼を頂いた際に、瞬時に思ったことは、とにかく苦手という感覚でした。それは、私自身非常に頭が固く「あそぶ」ことが苦手なタイプだからです。

 今回「あそび」をテーマに原稿依頼を頂いた際に、瞬時に思ったことは、とにかく苦手という感覚でした。それは、私自身非常に頭が固く「あそぶ」ことが苦手なタイプだからです。高校時代、美術大学を受ける為に画塾(美大受験予備校)に通っていた際、白いキャンバスに自由になんでも描いてよいという課題が出て、頭が真っ白になってしまい、何も思いつかなく苦労した思い出があります。模写やテーマが与えられれば、そこから色々な書き方や構図、アイデアが出てくるのですが、私にとって自由に描くことが恐怖でたまりませんでした。その後は、自分なりに考え、例えば白いキャンバスに1本の線を自分で描きそこから自由に描いていくことや、とにかく思いついた言葉から連想し最終的に作品化したり、また他の技法(写真やパソコンソフトでの編集)を選択し、高校、大学を過ごしていました。
 今の仕事では様々なアイデアが求められる局面も多く、私は相変わらず頭が固いのですが、学生時代の工夫を活かし、色んな分野を率先して体験し、それらを組み合わせていくことで少しはあそびのあるアイデアが生まれると感じています。考えが偏らないように、過去から未来の時間軸と、自分のあまり知らないジャンルを横断することも意識的に行っています。
 最後に、私にとって苦手意識が強い「あそび」ですが、この執筆を機会に私なりに「あそび」について考えてみたところ、「あそび」は「没頭する」ことかなと思いました。思い返せば、子どものころは時間を忘れて友人とのスポーツやゲーム、また一人でもおもちゃのブロックづくりや川での魚捕りなどに夢中になっていました。ですので、大人になった今だからこそ、改めて意識的に「あそび」=「没頭する」時間をつくっていきたいと思います。映画や読書などもそうですが、最近では、新しい街に行った際に古い建物や看板などを見て魅了されたり、美味しいものを口にしたりする時はその時間に没頭しています。歳を重ねても「没頭する」大切さを忘れずに生きていきたいと思いました。

豊福宏光:サスティナビリティマネジメントグループ

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